不動産投資以外の年金対策ってどんな方法があるの?(Vol.2)

2019/07/01

年金

┃NISAで年金対策
前回税制面のメリットが大きい年金対策のための運用商品の特徴を2点、年金保険、iDeCoとご紹介させていただきました。

 

他の税制メリットがある運用商品というとNISAがあげられます。

NISAは100万円までの運用であれば、確定拠出型年金同様に配当や売却による利益に対しての課税がありません。

1人1口座なので、家族の人数分活用できますから、4人家族であれば400万円までは課税されることなく運用できます。

 
┃貯金で年金対策

この他の運用商品というと、例えば貯金です。

大半の方は貯金をしているのが一番安全で確実だとお考えだと思います。

しかし、貯金という物も実はリスクもあるのです。

昔は預金金利にも大きな利回り効果があり、運用上の魅力がきちんとありました。

しかし現在は史上最低金利であるマイナス金利の時代です。

大きな金額を貯金しているにもかかわらず金利はほとんど付きません。

言ってみればこれは銀行にただでお金を貸しているのと同義です。

1,000万円程の金額を預金しても1万円程の金利しか受け取れません。

 

預金をしていく場合に長期の運用想定をするのであれば、インフレリスクがあります。

インフレというのは、物の価値が上がり、お金の価値が損なわれることをいいます。

昔100円でジュースが買えたのに、今は同じ100円でもジュースが買えない。

昔マンションが3,000万円だったのに、同じ物件が4,000万円になる等の場合です。

こういった場合は物を持っていた方が得をします。

このインフレが進むことが想定される場合は、金利が付かない状況下で預金を続けるとお金は価値が上がらないのでどんどん損をすることになってしまうのです。

景気がよくなり物価が上昇する局面では貯金が一番損をすることもあり得ます。
基本的には日本も少しずつですが、長い目でみれば身の回りの物は徐々に価格が上がってインフレになっています。

 
┃金(地金)で年金対策

一方金(地金)で積み立てている場合は、金はインフレになると価値が上昇していきます。

金を買われる方は基本的にインフレ対策の方がほとんどです。

金は配当や家賃を生みませんから、その価値が上がらない限り運用メリットはないのです。

お金は信用で成り立っていますが、元を正せば所詮は紙切れです。

借金大国の日本の円が市場の中で信用を無くし、貨幣価値が下がることも想定できます。

事実日本国債の世界の評価、格付けは下がり続けています。
借金が多く、人口が減っていく日本では、内需も細り、経済が弱体化する可能性もあります。

その場合は現物である金を持っている方がリスクヘッジになる可能性があるのです。

 
┃株式投資で年金対策

その他の運用の代表的な商品としては、株式投資があげられます。

しかし、20年後、30年後の株式の相場は誰にも予測できません。

基本的には世界的に見てもインフレが続いており、徐々に平均株価が上昇していること等から、途中の浮き沈みを気にせずに、先を見た長期の運用をされている方も沢山いらっしゃいます。

ただし、当然ですが20年後の株式相場を読み切って投資しているわけではありません。

あくまでも経済の一般論に従って投資しているに過ぎないのです。

また、株式で損が出ていたとしても、申告上は分離課税となり所得から損金が控除されることもありません。株は株の利益に対してしか損金を相殺できないルールになっています。
株式は税金対策にはならないのです。

 
┃まとめ

こう見ると、将来の年金対策のための運用として考える場合に、運用先を選ぶのがいかに難しいかがおわかり頂けるかと思います。

 

貯金をすれば金利が付かず、インフレにも弱い。

株式では浮き沈みがあり、確実な予想は難しい。

退職時に状況が悪ければ受取金額は目減りしてしまいます。

金は配当を生まないので、複利の効果は期待できません。

iDeCoや年金保険は税制メリットの上限の金額があり、大きな金額の運用には不向きです。

 

その他にも、FX,、金融派生商品、仮想通貨、先物などもありますが、ここでは瞬発力を重視したハイリスク、ハイリターンの商品のご説明は年金対策には不向きなため、ご説明を控えさせて頂きました。

 

それぞれの金融商品の特徴を踏まえた上で、効率の良い投資配分や、リスクの少ない年金、退職金の運用が求められる時代になっているということですね。

 

年金というのはもらうとすればずっと先のお話。

そう捉えている分、後回しにされたり、あまり本気で考えた事がないという方が大半です。

しかし、長期に渡って運用される運用期間の長いお金だからこそ、その効果の違いは受け取る頃には大きな差になって自分の身に返ってきます。

生きている以上はいずれその問題に直面する時が来るわけです。

うさぎと亀のお話ではありませんが、ご自身なりのきちんとした答えを見つけて、きちんと情報を取って立ち回れば、老後の生活について不安にならずに済みます。

英語を覚えても使う場面がなければ役にはたちませんが、お金の知識は知っておいて損をすることは絶対にありません。

普段お忙しい方も、将来のご自身のお話として考えて知識を得て、時間とお金を使って無理のない投資をすることは決してご自身にとって無駄にはならないと思いますよ。

商品比較

現在の会社に入社後、設立初期より営業部を統括、本部長を務める。以降融資担当部長、流通事業部では仕入れ先開拓業務に従事、後に管理業務部等を歴任。

現在は自社セミナーを始め、様々な会社との協賛セミナーの講師を務めながら、常に世に発信する立場で不動産業に従事している。

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