不動産投資のリスクを徹底的に洗い出してみます。Vol.3

2019/09/12

リスク

┃家賃収入のリスク
②駅からの徒歩距離や、物件の良し悪しによっての家賃の下落リスク

賃貸の需要は基本的に利便性を求めています。

通勤、通学などの毎日の行動に便利な生活のしやすいエリアに賃貸需要が集中します。

 

物件のグレード感は二の次になると考えて頂いて問題ありません。

 

 

 

そういった意味では、都心から離れた物件や、駅から遠い物件が選ばれるには、その分都心や駅近の物件に比べて賃料が安いとか、駅に近い物件の空きがない等の理由がなければ基本的には選ばれません。

 

 

 

ここで皆さんに質問です。

 

皆さんは賃料が全て同じであればどこに住みたいですか?

 

どこに住んでも、どんな物件でも賃料は全て同じです。

 

好きなところに住めます。

 

だとしたら住みたいのは恵比寿でしょうか、麻布十番でしょうか、それとも中目黒でしょうか。

 

それも駅から近ければなおのこといいですよね。

 

当然人によって意見は分かれるでしょうが、この場合はおそらく都心の立地条件の良い建物に需要が圧倒的に集中します。

 

 

 

この立地や、駅距離等の人気が不動産の相場を形成しています。

 

忙しい方が多い東京都心部は、そもそも地下鉄がどこでも張り巡らされていて、23区内でも商業価値の高いエリアでは駅から徒歩10分歩くところを見つける方が難しいくらいです。

 

 

 

私も千葉県の育ちなので、駅から歩くのも当たり前でしたし、千葉県はバスで駅まで出るのが当たり前の地域がほとんどです。

 

購入する自宅の場合は住環境を重視される方もいますし、学校などの条件も必要になるでしょう。

 

しかし、ワンルームマンションなどの賃貸の需要は、あくまでも一時的な借りものの住まいであり、環境などのファミリータイプの需要と違い利便性の方が優先されるのです。

 

 
┃安定した家賃収入を得られるエリアって?

 

先程住みたいところを想像してもらいましたが、麻布十番の駅から徒歩2分の物件であれば、普通に考えても家賃が安い訳がありません。

 

基本的に賃料とお財布の事情を考えると、実際は普通のサラリーマンの平均的なお給料ならほとんどの方はなかなか容易に住むことが出来ないのです。

 

そうなると、自分の通う先と利便性、家賃とのバランスの良い物件を選ぶことになります。

 

 

 

この場合都心から外れて利便性の悪い地域や駅から遠いなどの、ご自身の本来の希望する物件の条件を譲歩するのは予算の都合ということになるのです。

 

駅から5分圏内に300件のお部屋があるとすれば、10分圏内には1,500件あります。

 

同じ最寄り駅であっても賃貸募集の際の競合物件は、駅が近い方が圧倒的に少なくなります。

 

 

 

以上の事情から、都心の不動産の投資においては、私たちの基準は駅徒歩7分圏内を基本的な条件としています。

 

その条件を満たさなければ基本は自社の商品として仕入れません。

 

 

 

なおかつ、たとえ23区内でも賃料がエリアによって下がりやすい傾向の見られる物件も扱いません。

 

江戸川区の葛西駅周辺は、住宅地として不動の人気があります。

 

しかし、賃料は下がりやすいのです。

 

駅から離れれば離れるほど、また、築年数が経過すればするほどに賃料が下がっていってしまいます。

 

 

 

例えば、同じ東西線沿線でも木場は賃貸事情も悪くはありません。

 

しかし隣の東陽町になると途端に賃貸事情は悪くなっていきます。

 

 

 

たった一駅違うだけでも賃貸事情はどんどん変化していきます。

 

 

 

古くなるほど不動産は立地がものをいいます。

 

内装はお金をかければ変えられます。

 

今やマンションは外装でさえもリフォームできます。

 

しかし、立地だけは最後まで変えることができません。

 

 

 

古くて場所が悪い物件。

 

古いけど場所の良い物件。

 

 

 

築の浅いうちは多少場所が悪くても賃貸は付くことが多いのですが、時間が経過したときに利用価値として何が価値をもっていくかを考えて頂ければ、どちらがその時に良い投資になるのか、皆さんでも想像するのは難しくないはずです。

 

こういった賃借人の心理が、賃料の事情に影響していきます。

┃自分の住みたい街≠賃貸需要がある街

 

しかし、都心の場所のいい不動産であれば、なにも駅徒歩3分圏内である必要性はありません。

 

基本的には人がストレスを感じない距離感の物件、徒歩7分圏内であれば問題なく賃貸は付きます。

 

 

 

物件にリフォームを入れたり、賃料を下げたり、賃貸条件に手を加えたり、お金をかけなければ賃貸が付かないエリアになればなるほど、築年数に応じて収益がどんどん悪化していきます。

 

 

 

注意をして頂きたいのは、ご自身の住みたいと思う家に対する感覚と、賃貸需要の多さはほとんどの場合に関連性がないものとして考えてください。

 

 

 

私もガヤガヤした都心は住まいの環境として基本的に好みません。

 

ましてやワンルームマンションに今さら住みたいわけでもありません。

 

しかし、地方から仕事に出てきたお若い方や、単身赴任で来られている方、学校に通われている方は、職場や学校から近くて、通いやすい事が最優先の事情になります。

 

 

 

入居者の視点で必要な条件を考え、その需要がどこに集中しているのかを想像して頂ければおのずとリスクの低い投資になるという事です。

 

23区内でも都心5区を中心に賃料が下がりにくい傾向が見られるエリアは都心の中、さらには23区内であっても限られています。

 

具体的な地域ごとの賃料相場の築年数ごとの変化や、賃貸事情の良し悪しについては不動産会社で成約事例や募集事例を見せてもらったり、インターネットで調べて賃料相場を検証して頂ければ相場観の違いをきちんと細かく把握できるかと思います。

 

 

現在の会社に入社後、設立初期より営業部を統括、本部長を務める。以降融資担当部長、流通事業部では仕入れ先開拓業務に従事、後に管理業務部等を歴任。

現在は自社セミナーを始め、様々な会社との協賛セミナーの講師を務めながら、常に世に発信する立場で不動産業に従事している。

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