不動産を資産として購入すると、不動産を所有していることでかかる税金があります。
ここではその税金についてご説明していきたいと思います。
┃①固定資産税・不動産取得税
まず、皆さんもご存じの方も多いでしょうが、固定資産税です。
この固定資産税は毎年不動産をその年の1月1日に所有していた方に請求がきます。
時期としてはだいたい5月頃に請求書が送られてきます。
この固定資産税は、土地の価値、建物の価値、それぞれの価値から計算されます。
土地の価値は地価が変動しない限りは基本的には普遍的ということになります。
建物はその構造によっても異なりますが、老朽化するに当たって価値が下がっていきます。
それぞれの価値を算定して合計した金額が固定資産税として請求されるのです。
また、不動産を購入した際に不動産取得税という税金が購入時から1年位迄の間に請求されます。
この不動産取得税も固定資産税同様に、それぞれの土地、建物の価値によって支払う金額が異なってきます。
金額的には固定資産税の2.5倍前後の金額になることが多いでしょう。
住宅として購入されていれば軽減措置が購入年度により施されている場合があるので、不動産取得税を支払った記憶がないという方もいらっしゃると思います。
しかし投資不動産の場合は自宅ではないので、軽減措置がない為大抵の場合は請求があります。
不動産を購入する事によって発生する税金は以上の二点です。
┃②譲渡税
逆に不動産を売却する場合には利益が出ていれば税金が発生します。
利益というのは売った金額―買った金額=利益ではありません。
不動産は自宅として購入した場合でも減価償却を計算します。
使っている間償却している考え方をするという事です。
よって正確にはこうなります。
(売却価格-売却時費用)-(購入価格-減価償却分)=利益
となります。
よって減価償却している以上、売却価格と購入価格が同じ金額で売れたとしても、計算上は利益が出て税金がかかるケースもあるのです。
なおこの売却時の税金は購入した時から数えで5年経過したかどうかで、短期譲渡と長期譲渡に税率が別れています。
長期譲渡の税率は所得税15%、住民税5%で合計20%です。
短期譲渡の場合は所得税30%、住民税9%で合計39%とおよそ倍の税金がかかります。
例えば2015年6月に購入した物件を2020年6月に売却すると短期譲渡の扱いになります。
見た目は5年経っていますが、まだ長期譲渡にはならないのです。
長期譲渡になるには2021年1月以降に売却しなければなりません。
5年経過していれば長期譲渡だと勘違いして売却してしまうと短期譲渡の税率で課税されてしまうことになるのでこの点は要注意です。
ご自宅の場合は利益が大きい場合に、3,000万円の控除を使うことも出来ます。
ただし、次の自宅の購入の際には住宅取得特別控除が使用できなくなります。
不動産は時にバブルを引き起こすことがあります。
景気が良くなったり、建物の需要が加速したり、投資熱が上がると急激に価格が上昇する可能性があり、バブルが起きるとバブル崩壊時に経済ショックを引き起こすため、不動産価格が急騰してバブル状態にならないように仕組み上様々なブレーキがかかっています。
それが、不動産取得税であり、不動産売却時にかけられる税金なのです。
不動産を右から左に横流しするだけで儲かる様な仕組みにしてしまうと、バブルが起きやすくなってしまうので、いくつもの短期的な取引に対してのデメリットを設けることで、不動産の短期売買を抑え、短期間では利益がでにくいようにバブルを抑える仕組みができているのです。
結果、不動産は一度購入したら、最低5年は持たないと利益は出にくいという事になります。
逆にいうと長期的に保有した方が利益になりやすいという事になります。
これによって短期売買を抑えてバブルが起きる事を抑制しているのです。
┃まとめ
不動産を購入する際は、どんな税金がかかるのかよく説明を聞いておく必要があります。
特にご自宅の場合は、不動産取得税の軽減措置や、固定資産税にも軽減措置が入っていることがあります。
しかし10年間だけの特例措置だとすると、10年後に特例の期間が切れたとたんに、突然固定資産税が上がることがあります。
認識していれば問題もないでしょうが、知らなかったとすると突然コストが上がることになり、想定していない出費を強いられてしまいます。
投資物件であれ、ご自宅であれ、どんな税金がいくらかかるのか、また税金の軽減措置がある場合はそのメリットデメリット、期間や金額もよく確認して頂く方がいいでしょうね。