サブリース契約と業務代行契約はどちらがいいのか?

2019/10/19

賃貸管理

┃サブリース契約とは?
不動産の賃貸運用をされる際に、サブリース契約と呼ばれる家賃保証の契約をして、空室時の賃料を保証するサービスを受ける事ができます。

このサブリースは借り上げ保証サービスとか家賃保証サービス等と呼ばれますが、呼び方が違うだけで基本的には内容はほぼ同じです。

 

 

 

しかし、この家賃保証契約はメリットとデメリットがあります。

 

まずこの家賃保証契約ですが、管理会社、オーナーと双方にメリットがなければ仕組み上成り立ちません。

 

私の勤めている会社のサービスを題材にお話をしますと、サービスの仕組みとして、相場家賃の90%が家賃保証の借り上げ時の金額になっています。

 

この場合、入居者が入っている間も家賃は90%しか取れません。

 

管理を代行してもらうだけの業務代行と比べると、家賃収入は目減りしてしまいます。

 

その代わりに、空室時にも家賃を安定して受け取ることが出来ますので、ローンを組んで建物を購入する方には支払いを担保できるメリットがあります。

 

また、賃貸が付くかどうかを心配する必要がなくなる為、運用上のストレスを軽減できます。

 

 
┃サブリース契約の落とし穴

 

この家賃保証ですが、当然保証する業者からしてみれば、いい物件をお預かりして空室の少ない物件の方がきちんとサービスとしての利益につながります。

 

空室の物件が多くなれば保証している会社は、最悪持ち出すことになりかねません。

 

また、家賃が下がりやすいエリアの物件では、定期的に家賃の保証額の見直しをすることになり、オーナー様と都度の説明や手続きが必要になります。

 

空室期間が長くなったり、空室物件が多くなりすぎる、または家賃の設定がおかしいと家賃保証サービス自体が成り立ちませんし、赤字になることもあり得ます。

 

当然、家賃保証はどこでも、どんな物件でも受けられる訳ではありません。

 

地方になれば、例えば北海道などでは家賃保証の金額が50%しか保証してもらえないケースもありますし、千葉、埼玉などは70%位の金額での保証になることもあります。

 

弊社では家賃の保証ができるのは東京都の限られた場所、神奈川の横浜、川崎のごく一部だけです。

 

都心の好立地物件を扱っている業者は会社にもよりますが、90%の保証になっているところが多くなっています。

 

 
┃サブリース契約のトラブル

 

サブリースについては、家賃を業者が保証するという事になるのですが、このシステムが原因でトラブルになっている事例があります。

 

家賃保証がついているから大丈夫だと思って購入した物件で、その管理会社が倒産してなくなってしまう。または後々家賃保証額を見直されてどんどん下げられてしまい、当初の予定通りに運用が進まないなどです。

 

そもそもこういった事案は、ほとんどが家賃が下がりやすいエリアで物件を購入していたり、空室率が高く、需要の低いエリアでよく相場を確認せずに物件を購入してしまい、運用の入り口の提案を受ける際の説明では業者が保証するからと言われ、それならと契約してしまう方のケースがほとんどです。

 

販売業者にきちんとした説明責任があるとはいえ、他人任せにせず自身で相場を調べたりもするべきですし、そういったエリアの物件をそもそも買わない事が重要です。購入後に責任転嫁しても後の祭りになってしまっては困りものです。

┃都心の物件の空室リスクは低い!

 

都心の物件である程度物件がまともであれば賃貸はほとんど問題なく付きます。

 

私ももう15年以上この仕事をしていますが、逆立ちしても賃貸が付かないなんていう物件は一件も見たことがありません。

 

そういった意味では一定の要件を満たす必要はありますが、賃貸が付かない心配はほとんど必要がありません。

 

現に私の勤めている会社でも賃貸の入居率の平均は99.4%です。

 

そのほとんどが賃貸が付いて稼働しています。

 

他の会社でも稼働率は98%~99%の入居率をうたっているところが多く、弊社だけが特別という事ではありません。都内の優良物件は賃貸需要そのものが高いのです。

 

都心の好立地物件を購入するのであれば、家賃設定で欲をかかなければ賃貸はほとんど問題なくつきます。

 

そういう意味では賃貸事情の良い東京都内で良い物件を購入するのであれば、家賃保証は付けなくても問題はないでしょう。

 

しかし、郊外の物件や競合物件の多いエリアなどは家賃保証をかけて頂いた方がいいかも知れませんが、保証率が郊外になると90%ではなく、それ以下に下がってしまうことになると思います。

 

業務代行サービスは会社によって多少手数料が違う事もあるとは思いますが、弊社の場合は家賃に対して5%と消費税のお手数料をいただいています。

 

家賃保証よりは実入りが増えますので、入居率が高いエリアであれば業務代行でも良いかと思います。

 

代行の場合は礼金収入や、賃貸借契約の更新時に更新料も一部入ってくるので、結果空室期間の家賃の期間損失を賄ってくれる可能性があります。

 

運用に自信の持てる物件であれば家賃保証は必要ありませんが、どうしても空室が心配な方、空室時に管理会社とやり取りをしたり、気になるのが嫌な方は家賃保証が便利です。

┃まとめ

 

いずれにしても家賃保証があるから大丈夫という判断の仕方ではなく、付近の賃貸状況や家賃相場、築年数の経過による家賃の下落率を加味してよく確認の上で購入されることをお勧めします。

 

たまに家賃保証がつくような物件は物件としてダメだという本を読んだ、またはそう聞いたという方もいらっしゃいますが、これは郊外の物件で家賃保証するからと業者に買わされてしまい、後々ひどい目に合っている方もいるので、こういった稼働率が低いエリアの場合は注意が必要です。
都心は家賃保証になっていてもまず問題はありません。

現在の会社に入社後、設立初期より営業部を統括、本部長を務める。以降融資担当部長、流通事業部では仕入れ先開拓業務に従事、後に管理業務部等を歴任。

現在は自社セミナーを始め、様々な会社との協賛セミナーの講師を務めながら、常に世に発信する立場で不動産業に従事している。

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