ここ数年の変化の中でも一番と言っていいほどの大きな変化。
それが45年ローンの誕生です。
┃なぜ45年ローンが組めるのか?
通常住宅ローンのローン期間は35年が最長とされており、これは現在も変わりません。
ではなぜ不動産投資のローンだけが期間を延長されたのでしょうか?
それは支払い自体を給与から返済するのではなく、家賃収入から支払うからです。
根本的に退職してしまえば収入がなくなります。
住宅ローンは当然自分のお給料から支払う訳ですから、退職すれば月々の収入が下がったり、なくなってしまいローンの支払いが困難になります。
一方で不動産投資のローンは月々上がってくる家賃収入が大半の支払いをこなしてくれます。
ということは自分が退職したからといって支払いに困る理屈にならないのです。
完済年齢も住宅ローンには選択肢としてない85歳までとなりました。
この完済年齢の延長と、最長ローン期間の延長により不動産投資の収支や投資効果は大きく変わりました。
それぞれのメリットデメリットをご紹介しておきたいと思います。
┃45年ローンのメリット&デメリット
メリット①40歳未満までは45年ローンが可能
まず、期間が延長されたことにより、45年のローンが完済年齢から考えると40歳未満の方であれば組める様になりました。
この場合のメリットですが、ローン期間が長く組めると月々の支払いは少なくなります。
物件によっては毎月の収支がプラスで家賃が余る場合もあります。
ローンの支払いをしながらも余った家賃収益を手に取る事が出来るという事です。
単純に収支がプラスであれば持ちやすくなるだけでなく、金利上昇時のリスクを家賃の余りでリスクヘッジできますし、エアコンや給湯器などの故障の設備コストにも対応できます。
月々の持ち出しなく運用が出来るという単純な持ち易さがあります。
メリット②85歳まで保証の付いた生命保険効果
更に生命保険代わりに不動産を所有したいという場合は非常に大きなメリットがあります。
生命保険に入って保障を得るという事になると当然月々の生命保険料はご自身の負担になります。
年齢が上がるほどに掛け金が高額になる生命保険と比べて考えると、不動産のローンに付帯する団体信用生命保険は年齢による掛け金の違いがなく、高齢になるほどに保険料が一般の生命保険に比べても割安な計算になります。
更に家賃収入がローンの支払いをしているのであれば事実上は自身の負担なく生命保険の効果を得る事になります。
ローン期間は最長が85歳完済となるので、85歳まで保証の付いた生命保険に入っているのと変わりません。
男性の平均寿命を大きく超えた年齢まで保険が効いていることになります。
最近はガンと告知されるとローン残高がゼロになるガン特約もあるので、保険の内容によってはさらに大きなメリットを持つことがあります。
デメリット①利息が増える
一方でデメリットとしては当然ローン期間が長くなった分余計な利払いを強いられることになるので、支払総額は大きくなります。
早く完済して家賃収入を実収に変えたい方にとっては余計な利払いは無駄でしかありません。
完済を目的としている場合は35年ローンの方がメリットが大きくなります。
デメリット②変動要素のリスクが高まる
ローン期間を長くすると、その間の経済変動や、災害リスク等を考えた場合、残債の残った物件を長期に渡って所有していればその分リスクが高いという事になるでしょう。
あまり長期のローンになると、変動要素のあるリスクは読み切れなくなるので注意が必要です。
長期の45年ローンであれば、節税効果や生命保険等の運用効果に期待する方のほうが向いています。
早期に完済したり、運用途中での売却を想定されている方は短い期間のローンが運用の性質上利益効率を考えれば向いているでしょう。
同じ不動産を持つにしても、何を目的にするか、享受したいメリットによってローンの期間や、頭金を入れるかどうか、繰り上げ返済をするかどうか等の運用方針の選択が変わってきます。
自身が不動産を購入する際は自分のプラン、目的を伝えて相談した上で融資の条件を決定することをお勧めします。