家賃収入10万円-ローンの支払い9万円-管理費1万円=0円
上記の様に月々総支払を考えると家賃が余らない投資もあり得ます。
中には月々プラスの収支が出なければ投資をしないと決めている人もいます。
これは利益0円と考えるべきなのか?
この収支なら投資する意味はないのでしょうか。
┃マイナス収支は価値なし???
例えば上記の収支よりも悪くて
家賃収入10万円-ローンの支払い10万円-管理費1万円=-1万円
この形だと家賃収入では月々の収支が賄い切れていないので持ち出しが発生しています。
これだと月々はプラスどころがマイナスで運用する訳ですが、投資をする価値がないと判断する方もいらっしゃいます。
株式、投資信託、金の積み立て、定期預金、FX、保険、仮想通貨などの様々な投資がありますが、この中で自らお金を出さずに運用できるものはあるでしょうか。
当然ありません。
全て支出が先です。
運用の元になる原資を投資する所からスタートします。
この時、パフォーマンスとして重要になるのは投資した資金がどれくらい増えるのか?
これが投資する上で最も重要なことです。
┃プラス収支が当然と思われる理由
しかし、不動産投資はローンを組んで運用する為、ほとんどお金を投じなくてもプラスになる場合があります。
月々入って来る家賃収入が全ての支払いをカバーしても余ることがあり得るのです。
そしてなぜか不動産投資をされる場合に、このプラスで回る収支がスタンダードだと思っている方が多くいらっしゃいます。
世界中のほとんどの国では日本よりも金利がはるかに高く、高金利での貸し付けとなります。
頭金も必要になるケースが多いでしょう。
むしろ海外投資はローンが組めず、現金でしか買う事が出来ない場合がほとんどです。
日本の不動産投資は土地を持っている方がアパートを建てる、いわゆる土地活用が昔の不動産投資の初期の姿です。
この場合は先祖より持っていた土地にアパートを建てる訳ですから、当然建物代金しかローンは組んでいません。
その場合支払いも少なくなるので、収支は大きくプラスになります。
土地と建物両方を同時に買い付けても、地方の不動産であれば価格が安く、高利回りの為基本的には価格のほとんどをローンで賄っても収支はプラスになる事も現在であっても多くあります。
結果、不動産投資はプラスの収支で回るもの。
プラスで回らないのであれば投資価値がない。
として投資判断基準をご自身の中に作っている方が多くいらっしゃいます。
┃時代は違う!プラス収支の落とし穴
はっきりいうと、この考え方はもはや完全に間違っています。
世の流れは既に変わっており、この考え方は完全に古くなっています。
地方の投資、古い一軒家、こういった物件であればプラスで回るのは当たり前です。
単純に安いという事は価値がないということだからです。
これを銀行はもうこの先の時代、資産として評価しません。
負の財産としての評価になることすらある状況に変わってしまっているのです。
人口の減少、流出の影響を大きく受ける地方の物件はこれから売れなくなるリスクの方が大きいという判断になってきているのです。
例え月々はマイナス収支で、月々1万円支払ったとしても、35年間で支払った現金は420万円(420回払い)となります。
しかし、都心の好立地のマンションであれば、古くても立地相応の価値が残ります。
420万円の支出をしても、所有している不動産の価値が1,800万円残っていた場合は、投資したお金が4.28倍に膨らんで返ってきます。
これはその時の残債から考えても十分に担保力があります。
当然金融機関にとっても貸付の残高以上の価値があるのであれば、貸付のリスクを軽減できます。
┃目先の収支 < 将来の資産価値
しかしこの先地方の物件はそうなりません。
鳥取県は県の人口が全国でも最下位で全体で人口が57万人しかいません。
さらに年々人口が流出しています。
東京都の23区内で人口トップは世田谷区で93万人です。
あの狭い世田谷区だけでこの人口です。
鳥取県全体の人口とも比べ物になりません。
大阪市の人口は269万人、名古屋市は229万人です。
東京都の人口ランキングトップ3の世田谷区、練馬区、大田区を足すと既に名古屋市全体の人口を上回ります。
更に4位の江戸川区を足すと大阪市の人口すら超えてしまいます。
東京23区内には921万人が生活しています。
東京都の人口は増え続け今や1,400万人に達しようとしています。
人口減少が加速している地方都市と人口流入が続く東京都心部はこれからどんどんとその格差を広げていきます。
ローンを組んで購入する以上、30年後その所有した不動産がどんな価値を持っているのか?
それこそが、その不動産に持ち出してでも投資する本当の理由なのではないでしょうか。
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