高い金利で投資不動産を購入したら意味がないと思っているあなた!間違っています

2020/05/07

融資

不動産投資をする際にローンを組むなら、必ず支払う事になる金利。

この金利はもちろん低い方がいいのは言うまでもありません。

今、不動産投資を始める際に最も融資が受けやすい信販系の金融機関。

その中でも低い金利と言えば1.65%前後が基準となるでしょう。

 

しかし、世の中にはもっと金利の高い金融機関が存在します。

バブル期以降の融資環境について

私はバブル絶頂期の頃社会人ではなかったので、バブル期の恩恵は受けておりません。

当時は物価や金利も高く、絶頂期は不動産投資ローンが10%近かったというお話です。

ここまで借り入れ金利が高いと、家賃の利回りが4%だとしても金利が収益を全て消化してしまい、それだけでは足りずに自己資金すら毎月投入しないと利払いがこなせません。

この場合に家賃収入から収益を上げるのは不可能となるので、価格が上昇しない限りは儲からない理屈になってしまいます。

経済状況で上下する「不動産価格」に投資するのであれば、家賃収入という不動産に投資する上での、一番大きなメリットが活かされないので私なら投資しません。

世の中の不動産価格が上昇し、不動産を売却して儲かっている人が多くなればなるほど投資しないと思います。

不動産価格が上がるか、下がるか、に投資するなら株や金に投資しても一緒です。

過去を見るに、10年に一度程度にしか安く買えるチャンスが来ない不動産とくらべれば、年中何度でもチャンスのある株の方がフットワークが軽く、小口でも投資ができるからです。

不動産投資は「価格」「家賃」と二本の収益の柱を持っている事が強みです。

その特徴を活かしきるのならば金利が高すぎて家賃の収益を全て吹き飛ばしている状況で購入するのはナンセンスです。

せめて金利を抑えるだけの十分な頭金が入っているとか、繰り上げ返済して利払いをコントロールできるだけの資金余力がなければ経済が悪くなり価格が下がった時のリスクヘッジができません。

バブル崩壊後、借り入れ金利はどんどん下がっていきます。

私がこの仕事に就いた頃はだいたいJACCSの借り入れ金利が4.0%ほどでした。

バブル絶頂期から比べれば半分以下です。

この頃に不動産を購入した人は今どうなっているのでしょうか。

当時まだ今と比べれば金利は高いといえますが、その後リーマンショック等の経済低迷の影響をうけて更に金利は下がり続けています。

最初は4.5%ほどだった金利も2%台になり月々の持ち出しもその分なくなり、残債が減るスピードも速くなり、返済した分更に金利がかからなくなる為当初の予定よりもはるかに運用の結果はよくなっています。

ただし日本中どこで買っても良いとか、新築を購入しても成功しているという意味ではありません。

ローン元金の返済のペースよりも早く物件の価格が下がってしまって、売れない状態になっていたり、価格が下回る状態で売却をして損切りしてしまっている方もいるのですが、都心の条件の良い建物を中古で購入した方はそのほとんどが値が落ちないので大きな利益になっています。

現在の融資環境について

今はどんな融資環境かといえば、信販系の不動産投資ローンを組んでも満額の融資が可能で、金利は1.65%~と史上最低金利です。

高いところでも2.5%程度。昔と比べれば全く問題になり得ない金利観です。

 

家賃収益の利回りから考えても持つだけで家賃収入の利回りの方が上回り、金利コストを差し引いても収益の利回りの差益が取れます。

1.65%なら「なお良し」ですが、2%台だとしても利回りが4%5%なら持った方が得をします。

「1%台なら購入するが、2%台なら購入しない」は間違いです。

私たちの様な不動産投資会社の人間は、融資が使えるなら金利が安い所から提案してくれるはずです。

当然1.65%が使えるならそちらの方が良いと思います。

しかし、使えない理由があるから2%台の金利のローンを紹介されているわけです。

1%台でも利益が取れ、2%台でも利益が取れるならこれも投資するのが正解です。

 

例えば購入しようとしている物件の立地が一等地で、最も高いエリアの南青山5丁目の新築物件で利回り2%台の物件ならフルローンで購入するのはやめておいた方が良いでしょう。

入って来る利回りを全て借り入れ金利が食ってしまうからです。

 

不動産のローンは元利均等返済が基本なので、最初こそ金利を沢山支払っていますが、毎月元金も返済していますので後半になればなるほど金利自体支払いがどんどん減っていきます。

 

いずれ家賃収入の利回りの方が大きくなっていくので、家賃収入さえ取れ続けていればどこかでツジツマが合ってきて、利益に変わっていきます。

┃金利だけでなく損益分岐点も判断材料に

もう一度表題のテーマに戻ります。

例えば金利1.65%で取れる想定の利益が500万円だとします。

それが金利が2.1%になったことで利益が300万円になったとします。

この投資はやるべきでしょうか?

当然やるべきです。

自己資金をほとんど使わず300万円の利益が取れるならやらない理由がありません。

 

もし、1.65%の金利で投資して得られる利益が100万円

これが2.1%の金利で想定すると100万円損をする計算になるのであれば止めるべきです。

 

表面上の金利だけを見て判断するのではなく、金利が上がった事によって損に繋がる可能性があるのか、それでも利益が取れるのか、重要なポイントはその違いです。

 

金利だけを見て投資を判断するのは「木を見て森を見ず」

きちんと中身を見て判断することが大事なポイントです。

そうでなければ経済や条件の入り口だけをみて投資判断をすることになり、せっかくの投資の機会を見過ごして損をする可能性が高くなってしまうのです。

 

現在の会社に入社後、設立初期より営業部を統括、本部長を務める。以降融資担当部長、流通事業部では仕入れ先開拓業務に従事、後に管理業務部等を歴任。

現在は自社セミナーを始め、様々な会社との協賛セミナーの講師を務めながら、常に世に発信する立場で不動産業に従事している。

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