老後資金の必要額の目安│定年後を豊かに暮らすにはいくら必要?

2018/11/27

資産形成

将来の人口減少とさらなる高齢化が予測される中で、老後の生活に一抹の不安を抱えている人もいるでしょう。やはり定年後の生活は、金銭的にも健康的にも安心して長く過ごしたいものです。
特にお金については、長い目で準備を始める必要があります。今回の記事では、老後資金の必要額や収入・支出の整理についてお伝えするとともに、資金を準備するための資産運用方法についてご紹介します。老後に向けた準備の一端として、ぜひお読みいただければと思います。

「老後資金の必要額」

統計データを見る限り、2018年現在でも年金だけで生活することは困難です。これから老後を迎える現役世代であれば、なおさら老後資金を用意して備えることが「老後破産」を避けるためにも必要不可欠となるでしょう。まず、夫婦世帯と単身世帯に分けて老後資金の目安金額を考えてみます。

老後資金の必要性

会社勤めの人を想定すると、定年を迎えた後は会社からの給料が失われます。その代わりに公的年金の収入が加わり、これと貯金で老後生活を送るのが一般的な生活スタイルとなります。年金収入が生活費を上回る可能性は低く、年金だけで生活を賄うのが困難な場合もあります。

確かに近年は、定年を迎えても働き続ける人もいます。再雇用やパートなど、人手不足に伴って高齢者を雇用しようと考える企業が出てきているためです。しかしながら、定年前に比べて給与額が落ちることもあります。

以上を踏まえると、老後を豊かに過ごすには働いているうちから計画的に資金を積み上げていくことが望ましいのです。

老後資金の目安金額

必要な老後資金を考える上で、同居家族の有無は大きなポイントとなります。配偶者がいる世帯といない世帯とでどう異なるのか、統計データを基に見てみましょう。

高齢者夫婦無職世帯

総務省の「家計調査」によれば、高齢夫婦無職世帯(夫65歳以上、妻60歳以上の夫婦のみの無職世帯)の実収入は毎月平均で約21万円です。このうち所得税や住民税、社会保険料などの非消費支出をのぞいた可処分所得は18万円となります。

一方、食料費や住居費、水道光熱費、交際費などの消費支出は毎月平均で約23万5,000円です。したがって、毎月の不足額は約5万5,000円と計算されます。年換算すると66万円ですから、この生活を20年間続けるとすると不足額は1,320万円に上ります。最低でもこの金額を上回る老後資金がなければ、生活は年を追うごとに苦しさを増す可能性が高いのです。

もちろん、怪我や病気などで医療費・介護費がかさんだり、家賃負担が大きかったりすれば不足額がさらに拡大します。夫婦世帯ですから、お互いの状況(健康、住まい、趣味など)を加味して必要額を計算するべきでしょう。

高齢者単身無職世帯

高齢者単身無職世帯帯(60歳以上の単身無職世帯)の実収入は、毎月平均で約11万5,000円です。非消費支出をのぞいた可処分所得は約10万円で、消費支出額は約14万円ですから、不足額は毎月約4万円と計算されます。

年換算すると約50万円で、20年間この生活を送れば1,000万円ほどとなります。独身であれば経済的な負担が軽くなりやすいのはこの結果からも明らかですが、それでも1,000万円を超える貯蓄がないと苦しくなるでしょう。

怪我や病気、家賃負担などで不足額が膨らむのは、単身無職世帯でも同様です。同居者がいないだけに、いざというときの備えを多めに見積もっておいた方がよいかもしれません。

 

参考:総務省「家計調査報告(家計収支編)平成29年(2017年)II 世帯属性別の家計収支(二人以上の世帯)」

http://www.stat.go.jp/data/kakei/sokuhou/nen/pdf/gy02.pdf

参考:総務省「家計調査報告(家計収支編)平成29年(2017年)III 総世帯及び単身世帯の家計収支」

https://www.stat.go.jp/data/kakei/sokuhou/nen/pdf/gy03.pdf

「老後の主な収入と支出」

老後の収入と支出について、もう少し細分化してみましょう。自分なりの老後の資金計画を練る上で、収入と支出の項目ごとに金額を入れる方が実態を反映しやすいためです。できれば年金に関する資料も手元に置いて、将来どれぐらい支給してもらえそうか見当をつけてください。

老後の主な収入

多くの高齢者にとって、主な収入源は年金です。ただし、年金と言ってもいくつかの種類に分かれます。

まず、20歳以上60歳未満の全日本国民が加入する国民年金が挙げられます。きっちり40年間加入し保険料を支払っていれば、満額の老齢基礎年金が受給できます。支給額は毎年若干変わっており、平成30年4月分からは年間で77万9,300円となっています。これは月額6万5,000円ほどであり、一人分の生活費を賄うには物足りない金額と言えるでしょう。

次が厚生年金保険です。経営者や会社員は厚生年金保険へ加入する義務があり、給与額と加入期間の長さに応じて支給額が決まってきます。厚生労働省の資料によると、平成28年の時点で平均月額は約14万6,000円となっています。老齢基礎年金を加えれば月額20万円を超えますので、この程度であれば衣食住に不自由する可能性は低そうです。

また、資産運用から得られる所得も期待できます。預金の金利はきわめて低いですが、投資信託の分配金や株式の配当金、不動産投資の家賃収入などがあると心理的な余裕が増すでしょう。

会社の退職金や、再雇用後の給与所得、独自の企業年金など仕事関連の収入も考えられます。「人生100年時代」とも言われる中で、特に給料を少しでも長く受け取れたら経済的な心配も少なくなるでしょう。

老後の主な支出

一方の主な支出としては、固定費として住居費や水道光熱費、通信費、変動費として食費や被服費、交際費などが挙げられます。また旅行を趣味としている場合、その費用も考慮するべきでしょう。住宅ローンの支払いが完了していないのであれば、その費用も考えなければいけません。

老後の生活ということで、特に医療費や介護費、葬儀費用には注意が必要です。入院費だけでなく、通院費も軽視できません。持病のある人は、今のうちに年間の医療費を計算して目安を把握しておいてください。

「老後資金の必要額を確保するための方法」

老後資金を貯める方法はいくつかあります。ここでは、その中でもおすすめできるものをいくつかご紹介しましょう。老後資金ですから、過大なリスクは取らず地道に貯蓄していくのがコツとなります。

定期預金

まず考えられるのは定期預金でしょう。言うまでもなく、銀行を中心とした金融機関にお金を預けて利息を受け取るものです。元本(預けたお金の額)を割ってしまう可能性はありません。さらによほどのことがなければ金融機関が破綻することはありませんし、万が一破綻しても1,000万円とその利息までであれば預金保険機構が預金者への払い戻しを保証してくれます。ほかの資産運用方法に比べても、圧倒的に安全性が高いと言えます。

定期預金の利息は、普通預金より高く設定されています。一般的には「積立預金」や「大口定期預金」などの方法を利用して、働いているうちからコツコツと積み立てていくわけです。

金融機関によっても、さまざまな預貯金のプランが提供されています。ぜひ利用している金融機関のパンフレットやホームページなどで情報収集していただければと思います。特に期間によって金利が上下する変動金利、上下しない固定金利などがあるはずです。

定期預金は、一般的に複利のメリットを享受できる運用方法です。複利とは、前の年の利息を元本に含めてその年の利息を計算する方法です。たとえば元本が100万円で金利が1%であれば、今年の利息は1万円(=100万円×1%)で、来年の利息は1万100円(=101万円×1%)、再来年の利息は1万201円(=102万100円×1%)……、となります。利息がだんだん増えていくため、預ける期間が長ければ長いほど大きな利益を得られるのが特徴です。

ただし金融機関に預金したときの金利は、政府のゼロ金利政策もあってきわめて低いのがデメリットです。2018年現在ではメガバンクでも定期預金金利が0.010%しかないため、複利のメリットと言ってもほとんど実感できないでしょう。

「お金を安全に保管する」という意味ではよいのですが、資産を増やすにはほかの方法を織り交ぜる必要があります。

確定拠出年金制度

確定拠出年金は、その名の通り年金制度の一種です。20歳以上60歳未満の全国民が加入する国民年金、会社員や公務員が加入する厚生年金保険、自営業者や個人事業主(フリーランス)が加入する国民年金基金と同じように、老後になって年金を給付してもらうために利用する仕組みとなります。

ほかの年金制度とは異なり、確定拠出年金では積み立てた掛金を自分で運用する必要があります。金融機関の提示する預金や保険、投資信託などの中から自分で商品を選びます。掛金を投じる割合は自由に決められますから、たとえば預金に50%・投資信託に50%などと方針を定めて運用を続けるわけです。

確定拠出年金には、個人型と企業型の2つがあります。個人型は完全に自分で金融機関や掛金の割合を決めて自分で拠出する自由度の高いタイプで、近年は「iDeCo(イデコ)」という略称でも知られています。掛金は全額所得控除の対象となるため、年末調整や確定申告を通じて節税(税金の還付)につなげることができます。

一方の企業型は、勤務先の企業が全額あるいは一部掛金を負担してくれるタイプです。自分と企業が掛金を負担し合うのを「マッチング拠出」と呼びます。企業が掛金を払ってくれるのはメリットですが、一方で選択できる金融機関や選べる商品に制限があります。企業型確定拠出年金は、企業の退職金制度の一つと考えるとよいでしょう。

確定拠出年金は「年金」という名がついていますが、自分で運用先を決める必要があるため資産運用の方法の一つと言えます。日々の生活用資金を圧迫しない範囲で掛金を拠出すると、将来の年金支給額が増えて安心材料となるはずです。

不動産賃貸

不動産の賃貸は、所有する不動産(物件)を貸し出して家賃収入を得る方法です。経営が安定すれば、毎月家賃収入を不労所得として得ることが期待できます。定年後も変わらず収入を得られることから、自分だけの私的年金として活用できるのがメリットです。年金に加えて家賃収入が得られれば、老後の生活が金銭面から脅かされる心配はほとんどないでしょう。老後資金を確保する方法の中でも、収入の大きさと安定性の両面から特におすすめです。

不動産を持っていると、相続税の節税にも活用できます。1億円の現金を持ったままでいるよりも、その1億円で不動産を購入した方が税金を安くできるのです。これは、不動産の評価額が現金より低いためとなっています。家賃収入に加えて、節税メリットに着目して不動産投資を開始する人もたくさんいます。

「不動産を買えるような貯金を持っていない」という人でも、不動産投資ローンを利用すれば問題ありません。会社勤めをしていれば、安定して給与が入ってくるという地位に対する信用があります。この信用を活用して、金融機関から融資を受けることができるのです。自己資金が少なくても、ローンを活用することで効率的な資産運用が可能となります。

会社勤めをしていると、自分一人では物件の管理やお金関連の事務などをこなすのが困難です。そのため、管理会社にこうした事務を任せてしまうのがおすすめです。手数料はかかりますが、自分はほとんど仕事をしなくても家賃収入が入ってくるという仕組みを構築できる可能性もあります。

購入した物件の経営が安定するまでには、時間がかかるはずです。そのため、老後になってから始めるより会社勤めをしているうちから少しずつ手をつけるとよいでしょう。今行動を開始することが、将来の自分や家族を経済的な不安から守ることにつながるのです。

「老後資金の確保は今日から始めよう」

個人差はあるものの、必要な老後資金は数千万円にのぼる可能性もあります。そうした金額を短期間で用意するのは容易ではありません。しかし、働いている間に毎月少しずつ貯蓄すれば、「塵も積もれば山となる」のことわざの通り安心して暮らすのに十分なお金を準備できることでしょう。

特に不動産賃貸は、一朝一夕で始められるものではありません。情報や人脈などを駆使し、融資を受けるための交渉を行い有利な物件を購入し管理会社を決めて……と、やるべきことがたくさんあります。まずは書籍やセミナーなどから情報収集だけでも始めてみてはいかがでしょうか。

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