不動産投資をする際にほとんどの方は融資を組んでいます。
低金利が続く今の様な時代であれば融資を組むメリットも大きくなりますので、当然融資を組んで運用する事を希望される方も多くなります。
しかし不動産投資の為の融資はその条件が時代ごとに大きく変化しています。
住まいを購入するための住宅ローンの場合はあまり大きく変化しません。
経済状況などに大きく制限を受けることもあまりありません。
時代ごとに金利は変化していますが、融資そのものが受けにくいという事はあまりありません。
ただし不動産投資を目的としている場合は別です。
不動産投資はあくまでも「投資」
余剰を作り出すための資産形成を目的としており、家賃収入を得て利益を上げる事を前提としています。
住まいであれば誰でも必要ですし、賃貸であれ、購入した家であれどちらにしてもコストはかかります。
そういった意味では自宅に関しては広く供給する必要があるため、厳正な審査や規定はあるにしてもご年収などに合わせて幅広く様々な融資の条件や設定があり、金利などの条件は違っても融資自体は受けやすい仕組みになっています。
これが投資となると一段も二段も融資を受けるためのハードルは高くなります。
年収規定、勤続年数、年齢、勤め先などに規定があり、実際のところ日本の平均年収である436万円ではほとんどの金融機関では審査がおりません。
大抵の金融機関が年収500万円以上でなければ審査を受け付けてくれません。
この時点で半数以上の方は融資の対象にもならないということです。
最近ではこの融資条件の引き締めが続いています。
スルガ銀行の不正融資問題やかぼちゃの馬車などの不動産投資関連の事件が続いて報道され、多くの被害者が出た事を受けて、金融庁から様々な指導が金融機関に対して繰り返し行われている事が起因しています。
不動産は大きな金額の融資となりますので、リーマンショックも不動産を原因とした融資から起きた経済ショックですが、あまり杜撰な融資を繰り返していると大きく不動産相場に影響したり、後々経済に大きなダメージを与えることになりかねません。
マイナス金利導入以降、緩和的な融資が続き様々な金融機関がこぞって参入して過熱気味になっていた不動産投資のマーケットに、現在は冷や水を浴びせた状態になっています。
具体的にはここ数年、以下の様な条件変化が続いて起きています。
上記の様な条件が少し変わるだけでも今まで融資を受けられるはずだった方が融資を受けられなくなったり、買えるはずの物件が買えなくなったりする事になります。
今後この引き締めの流れが継続するのか、また緩和的になることがあるのか。
それは誰にもわかりませんが、事件が起こったり経済ショックが起きたりすると瞬間的に反応して融資条件はすぐに厳しくなり、融資が受けにくくなります。
積極的に不動産に投資をしていく場合は融資の条件が緩和的な期間に、いかに上手く資産のボリュームを広げられるかが投資で成功するカギとなります。