マンションの管理費とはいったい何に使われているの?

2019/07/18

賃貸管理

┃マンションの管理会社が共有部の管理をするための資金
マンションには共有部という部分が存在します。

皆さんで使われる部分でマンションのエントランスやエレベーター、廊下やごみ置き場、自転車置き場や、駐車場などです。

こういった共有スペースにも管理が必要です。

この管理には管理会社がマンションごとに通常はついていて、その管理会社が管理人などを派遣して管理します。

ちなみにこのマンション管理にはちゃんとした資格が必要です。(マンション管理士)

管理には全日、日勤管理、定期清掃のみ等、管理会社によって、または管理費のコストの予算に合わせてその内容を選べます。

┃一棟所有と区分所有の管理の違い

一棟物の場合は、区分と違ってオーナー一人が決定権を持っているので、管理会社にオーナーが直接管理を委託する形になることが殆どです。

エレベーター点検を別注で頼んでいたり、掃除だけ依頼していたり、管理形態は一棟の場合は様々です。

その全てを管理会社に委託してしまうと割高になるので、一棟オーナーはそれぞれを別個に委託している人がいます。

区分所有のマンションの場合は、管理組合のオーナーの意見の取りまとめが必要になるので、殆どのマンションが管理会社にそれらの仕事をまとめて一括で依頼しています。

 

管理会社は、定期的に総会を開き組合員であるオーナーの皆さんに、マンションの運用、管理にかかっているお金の収支報告や、総会で話し合い、決議されていることの議事録の作成、マンションの中で起きているトラブルの対応や、修繕、交換の必要性のある設備の点検、報告、見積もり、修理や交換の手配などを一括して引き受けています。

この他にも駐輪場の管理、駐車場の管理、エレベーター点検、ごみ捨て場の掃除、廊下、エントランス等の清掃や電球の交換などのメンテナンスを仕事としています。

 
┃タワーマンションにはコンシェルジュがいることも

最近のタワーマンションなどではコンシェルジュサービスのついたマンションもあり、エントランスにフロントサービスがついていることもあります。

この場合は、フロントにてタクシーの手配や、クリーニングの引き受け代行、配送の手配等のサービスを受けることが可能で、そのフロントスタッフを派遣するのも管理会社になります。

 

┃管理会社による違いとは?

多額の修繕積立金の管理や、管理費、修繕積立金の滞納が出ている場合の回収、マンションに付属している設備の知識や、見積もり、修繕とかなり専門知識のいる項目を預かるため、管理会社が悪いとマンション内の運用、メンテナンスに悪い影響が出る可能性があります。

また、管理に必要になる管理費は引き受ける管理会社によってコストが違います。

大手の財閥系の会社や、大手のデベロッパーが建てて販売したマンションは、その子会社の管理に最初から指定されていることが多いのですが、この場合に管理費は比較的高めになる傾向がみられます。

この場合の建物は、その管理会社の関連会社が建てているので、建物のことは熟知していて、将来の修繕やメンテナンスを考えると有利な点はありますが、管理費が割高な場合は他の管理会社に見積もりを取った上で管理会社を変更してコストを下げるマンションも多くなってきています。

 
┃管理費が安い<管理の質が良い

管理会社によって対応のスピードや、内容、コストが違うため、今や管理会社のランキング、評判、口コミなどもインターネット上で比較され、ある程度の情報を取れる時代になってきています。

 

内容がきちんとしているのであれば、管理費が高いことはオーナーにとってはメリットがありませんので、きちんとした内容であれば管理費が安くなる方が当然いいという判断になります。

管理会社も一戸当たり10,000円の管理費を取っているのであれば、総戸数100戸のマンションなら管理費が100万円毎月入ってきます。

年間1200万円もの管理費を支払う訳ですから、それなりの仕事をしてもらわないと割に合いません。

 

私たちはオーナー様の所有権の移転の際に、管理会社とやり取りをさせて頂くことも多いのですが、融通が利いてフットワークの軽い対応の良い管理会社もあれば、対応が遅く面倒な事には腰が重くて動きの悪い管理会社もあります。

 

折角手に入れた資産がこういった管理会社の違いによって、ずさんな管理になってしまうとその資産価値にも当然影響がでるわけですから、きちんとした管理をお願いしたいところですよね。

┃まとめ

最近は評判や、口コミや比較サイト等のインターネット影から受ける影響が大きくなってきているので、大手の会社であればまず変なことをしている会社はほとんどありません。

しかし、コストやサービスを売りにして、マンション管理を自社への切り替えを提案して、そのマンションの管理を奪って獲得している管理会社は、当然フットワークもよく、サービスも丁寧な傾向が見られます。

あぐらをかいて一丁前に管理費を取っているだけで、仕事の内容が金額に見合っていないというような管理会社は、必然的に淘汰される時代になってきています。

ご自身でマンションを購入する際は、管理会社の評判や比較サイトの内容なども確認してみてはいかがでしょうか。

 

現在の会社に入社後、設立初期より営業部を統括、本部長を務める。以降融資担当部長、流通事業部では仕入れ先開拓業務に従事、後に管理業務部等を歴任。

現在は自社セミナーを始め、様々な会社との協賛セミナーの講師を務めながら、常に世に発信する立場で不動産業に従事している。

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