┃賃貸需要の層
賃貸需要という物は基本的には人生の通過点にあります。
学生の間の住まい、社会に出て数年のうちの会社に通う為の住まい、カップルで住んでいたり、結婚して数年の内だけ共働きの夫婦がお互いの勤め先に通いやすい場所に住んでいたりします。
こういった時期を越え、結婚して家族の人数が決まってくると、都内で3LDKのマンションを借りる場合に、場所が良ければ良いほど家賃が高額になります。
大抵の場合は23区内の場所のいい物は家賃が20万円を超えてしまいます。
こうなると、高額の家賃を払い続けるのはもったいないので、購買層にシフトしていき、自分の予算に合った場所で、環境、間取り、通勤に不便がない等を考慮して、自宅を購入することになります。
この購買層に入るまでが基本的な賃貸の需要となるのです。
一部転勤でお仕事をされに東京に来ている方や、事情があり家を購入できない方も賃貸需要につながります。
┃賃貸需要の多いマンションって?
一番人数が多く、需要が高いのはワンルームマンションです。
学生や社会人等の単身世帯からの需要が非常に高いからです。
次に1LDKです。
これは住みたい間取りのランキングでは1位に位置しています。
確かにお部屋は寝室とリビングが別れていますので使いやすく、収納を考えても荷物が収まり易いので、使いやすいイメージはあります。
しかし、都内の立地条件の良い1LDKは家賃も15万円前後と非常に高額になる為、所得に余裕がないと住みたくても住むことができません。
2LDKは少子高齢化により単身者や、ディンクス層、ご夫婦二人、子供が一人の世帯、ご兄弟でと様々な使い方が想定されます。
マンションのお部屋の建築の数としても、2LDKという間取りは絶対数が非常に少ない為、意外と高い需要があります。
この様に賃貸需要が高ければ稼働率が上がり、需要が低ければ空室がでます。
需要が少ないと家賃が下がりやすい、敷金礼金が取れない、空室が続くなどの収益が取れにくくなる理屈につながります。
┃賃貸需要の要素ってなに?
では、この賃貸需要はどこからくるのか?
田舎の田んぼの真ん中にアパートを建てて、賃料が一部屋5万円、8部屋で40万円取れる予定のアパートを買いませんか?と言われたら皆さんどう思いますか?
当然「誰が住むんだろう?」と需要に疑問を感じますよね。
しかし、来年アパートのすぐ近くに大学がオープンするとなるとどうでしょう?
その大学生が住むかもしれない、と賃貸需要がイメージできます。
例えば大手自動車メーカーの工場が近くに新設されるとすればどうでしょうか?
これも工場で働く方がそのアパートに住むかもしれませんよね。
これが賃貸需要の根本的な要素です。
たった一つ、大学があるだけでも需要があるかもしれないと思えるのです。
しかし、これに比べて、大学、専門学校、予備校、またオフィスや大企業の本社、中小企業、その周りの飲食店やデパート、専門店、印刷工場や町工場、そういった人々の集まる事情が沢山あり、極限まで需要が密集しているのが東京です。
日本の中でもダントツで一番高い密度の賃貸需要があります。
もっと言えば、世界で最も都市的地域としての人口が高いのは東京です。
世界で最も賃貸需要が高いといっても過言ではないのです。
┃まとめ
豊富な需要があれば、稼働率があがり、賃料も安定します。
東京というのは世界の中でも異色だと言っていいほどに、極端に大きな人口が集まっている都市なのです。
そもそも東京都内23区で、状態の良い、使いやすい間取りの物件で、都心にアクセスの良いマンションをお持ちの方は、ほとんど空室になる期間がありません。
東京で立地の良い物件は、そもそもが非常に高い稼働率になっているのです。
賃貸需要は基本的に自分の学校や仕事に通う事を前提としています。
要は住環境や、静かであること等よりも、利便性を優先した考え方が基準となります。
ワンルーム等は特に昼間はほとんど家にいない方のお住まいなので、当面不自由なく生活ができ、アクセスの良い物件であることの方が重要性が高いのです。
住まいについてはそれぞれの考え方、好みがあると思いますが、自分の好みと賃貸の需要は大きく考え方が違うと思ってその前提で考えてみてください。
社宅の需要の場合には、会社が家賃を払います。その場合はデザイナーズマンションである必要は全くありません。
普通の物件で、家賃がデザイナーズマンションよりも少し安いのであればそっちの方が会社としても負担が少なくて済みます。