不動産投資の変動要素とは?Vol.2

┃変動要素②家賃収入
前回は不動産投資の変動要素として、価格の変動についてのお話をさせて頂きました。

今回は家賃収入です。

この家賃が大きく目減りするのであれば、長期の運用を前提としている不動産投資は、大きくその運用計画を狂わしてしまう可能性が出てきてしまいます。

では、家賃収入が変動しにくいマンション投資とはどんな考え方をすればいいのでしょうか。

基本的には家賃収入の特性として、よほどの地方ということでなければ、家賃が取れない物件はほとんど存在しません。

相場通りの家賃で賃貸がつくのは、需要が高く賃貸事情がいい場所の不動産だけです。

しかし、相場が5万円のマンションであれば、4万8千円で募集すれば比較的早く賃貸は付きます。

募集賃料を下げれば、他の物件より優先権を得るので大抵の場合に賃貸は付いてきます。

当然のことながら、賃貸はその地域の人口や、密度、企業や学校が集中しているかなどの需要に大きく左右されます。

 
┃ワンルームvsファミリータイプ

しかしこの賃料も今となってはデータが蓄積され、分析が可能です。

以下のグラフを見て頂くと、ワンルームマンションの賃料相場と、1LDK、2LDKのファミリータイプの賃料相場は築年数の経過による賃料の下落相場に築20年近くを境として、徐々に違いがはっきりと出てきます。

 

賃料の推移

ワンルームマンション、ファミリータイプ共に一定の割合で築年数が経過するごとに、賃料は下落していきますが、ワンルームマンションは築年数が20年近くなるとだんだん賃料が下がりにくくなる傾向が見られます。

一方でファミリータイプは依然賃料が下落し続けていくことがわかります。

賃料の下落を抑えるという意味では、ある程度中古になって20年近く築年数が経過した物件で、なおかつワンルームマンションである方が、賃料の変化が少なくて済むという事です。

ワンルームマンションは安定した賃料を得るには、最も適した間取りだという事になります。

 
┃地域ごとに異なる相場賃料

また、この賃料も相場はそれぞれの地域によって異なります。

賃料が弱含みになる傾向が強いエリアの特徴としては、簡単なイメージでいうと、アパートが多いエリアや、学生の多いエリアは若干家賃が下がりやすい傾向があります。

逆に家賃が高く安定しているエリアは商業地です。

高いビルが立ち並び、一軒家がほとんど建っていない様なエリアはそもそもの商業価値が高く、社宅需要などが集中しているために賃料は下がりにくくなります。

ワンルームマンションの供給が多く、飽和状態になっているエリアも賃料はさがります。

東京の中でも、賃貸の募集物件をその物件の最寄りの駅から徒歩10分以内で検索した場合に、500件以上もヒットしてしまう様なエリアも存在します。

こういった空室の物件が多く、賃貸需要が飽和状態であることが観測できるエリアでは、駅から徒歩3分以内であるとか、デザイナーズマンションであるとか、リフォームしていて物件の状態が同じ築年数のものと比べ良い状態である、もしくは賃料が安い等の、他の物件との差別化を図らなければ賃貸が付かない可能性があることを示しています。

 
┃まとめ

この立地によるそれぞれの特徴や相場観は一概にここで特徴をまとめて申し上げる事ができません。

なにしろ駅一つ違うだけでも賃貸の事情や状況は全く違うのです。

これについては、物件それぞれにその賃貸の根拠となる相場を確認する、または業者に説明を受けて、根拠を明確にしていくほかありません。

賃料が落ちにくいエリア=物件の価格が落ちにくいエリアとも限りません。

逆もまたしかりです。

住宅地としては人気があっても、賃料が下がりやすい地域もあります。

不動産収益の根本である家賃収入が思っていたのと違って大きく下がってしまう。

こんなことにならない為には、物件の購入時にその賃料の根拠となる賃料相場は地域ごとに違うという事を念頭によく確認して頂く必要性があるという事です。

現在の会社に入社後、設立初期より営業部を統括、本部長を務める。以降融資担当部長、流通事業部では仕入れ先開拓業務に従事、後に管理業務部等を歴任。

現在は自社セミナーを始め、様々な会社との協賛セミナーの講師を務めながら、常に世に発信する立場で不動産業に従事している。

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