不動産運用の3大コスト(エアコン・給湯器・原状回復)

2020/09/17

賃貸管理

不動産投資は運用期間が他の投資に比べて長い為、その間に建物内でも設備の修理、交換、原状回復工事などが必要になります。

 

原則は修繕、交換にかかるコストは入居者の過失がある場合、または災害などで火災保険が提要になる場合を除き、オーナーの負担となる事が多くなります。

 

このコストについてはどの程度のコスト感が相場なのでしょうか。

運用するに当たっては、出費について把握しておきたいところです。

今回はこの3大コストについておよその金額を検証してみたいと思います。

 
┃①エアコン

季節の変わり目などのタイミングで、動かそうとすると動かなくなっていたという報告がよくあるエアコンの故障。

不動産運用のコストの中でも比較的よくある事象です。

原則は購入後10年以内ならほとんどの場合メーカーに部品が保存してあるので修理で回復します。修理なら出張費と工事費用で済みます。

内容にももちろんよりますが、大抵は2万円前後から4万円前後のコスト感です。

10年以上経過した場合は部品のストックがなければ本体の交換となります。

交換の場合はお部屋の大きさによって大きくコストは異なります。

ただし20年経っても壊れずに使えているエアコンも当然たくさんあります。

 

6畳用エアコンであれば

本体代金 4万円前後

交換工賃 2万円から4万円前後

引き取り費用 5千円前後から1万円前後(逆に下取りが可能な場合もあります)
消費税 10%

合計 7万円前後から8万円前後

8畳用だと5万円10畳用だと8万円12畳用だと10万円と本体が高くなります。

この他高額になりやすいケースでいえば配管が隠蔽配管(お部屋の壁の中を配管が通っており工事の難易度が高い)になっているケースや、一つの室外機で2台のエアコンを動かしているマルチタイプといわれる特殊な工事になるケースなどが交換費用が高額になる場合です。一台が壊れる事で同時に2台工事をしなければならない事になるため、工事代金が2倍近くになることもあります。

特にエアコン本体が天井や壁に埋め込まれているデザイン性に優れたビルトインエアコンは本体価格が40万円前後から大きさによっては50万円近くすることもある為、交換にかかる費用が高額になりがちです。高級分譲マンションでリビングが20畳以上の大きなお部屋などについている事があります。

 

┃②給湯器

給湯器はタイプにより価格に大きな差があります。

1人暮らし用のワンルームマンションに付いている物だと、追い炊き機能がなければ比較的安く交換できます。

本体価格 8万円前後から10万円前後

交換工賃 2万円から4万円前後

引取り費用 1万円前後

合計 11万円前後から15万円前後

 

追い炊きありの場合本体が10万円から15万円前後床暖房付き15万円前後から25万円と価格が上昇します。
大きい物になるとタイプや工事内容によりかなり価格に開きがあるためあくまでも目安です。

 

最近のタワーマンションなどの場合は給湯設備がレンタルになっている事もあるので、その場合は修理や交換の費用はかかりませんが、給湯費用として毎月の負担が必要になるケースがあります。

 
┃③原状回復

最後に原状回復費用ですが、これもお部屋のタイプが1R,1DK,1LDK,2LDKと大きくなるに連れてコストが大きくなる傾向があります。

1R(20㎡)の場合

クリーニング費用 1万5千円前後から2万円前後

出張経費 5千円から1万円前後

合計 2万円から3万円前後

 

上記の内容がベースとなりますが、原則はクリーニング費用は入居者の負担範囲です。

この他にクロス貼り替え、巾木貼り替え、CF貼り替え、エアコンクリーニング、内装補修、水回りパッキン交換、建付け調整、木部塗装、畳の表替え、電球交換、鍵交換費用、浴室コーキング打ち直し等はお部屋の状況によって追加される事が多い項目です。

 

お部屋が高級仕様であればクロス単価も量産型のものだと安っぽくなってしまうため、単価の高い仕様の良いものを使う事もありますし物件の内容により様々です。

クロス単価は㎡当たり900円前後~1,200円前後と業者によりかなり幅があります。

1,000円未満であれば高いという程ではありません。

800円台であればかなり安い方だと思います。
1,200円近くなると分譲型のマンションの高級仕様のクロス単価に近くなります。

業者により価格設定も様々なので、こっちの項目はこの業者が安いが、この項目は他の業者の方が安いなどということもあります。
心配であれば数社の内装業者から相見積もりを取って検証するのが正解です。

業者の選定にあまり時間をかけると、結局空室の期間が長くなり損失が大きくなってしまうので、いい業者をあらかじめ選定しておくといいでしょう。

ここに挙げた以外にも、キッチンの換気扇、浴室の乾燥機、トイレのウォシュレット、フロートバルブ、コンロ、網戸などお部屋の設備については修理や交換が必要になる事があります。
金額についてはおよその価格だけでも把握しておいた方がいいでしょう。

 

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現在の会社に入社後、設立初期より営業部を統括、本部長を務める。以降融資担当部長、流通事業部では仕入れ先開拓業務に従事、後に管理業務部等を歴任。

現在は自社セミナーを始め、様々な会社との協賛セミナーの講師を務めながら、常に世に発信する立場で不動産業に従事している。

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