地震についての考え方

2019/06/13

リスク

日本の中で生活する以上、常に一定の確率のリスクとしてつきまとう地震。

この地震については不動産投資をしていくのであれば、ある程度の確率が常にあるリスクとして考える必要があるかと思います。

 

地震に関しては完ぺきな予想は難しいものの、大きな地震に関しては阪神淡路大震災や東日本大震災、熊本の地震等、これまでの経験から得られるデータもたくさんあります。

 

最近の地震に関する最も大きな脅威としては、東海東南海地震が大きなリスクに挙げられています。

確率としても高くなってきているという考え方の人も多くなっていると思われます。

技術が発達しても依然地震の予測は正確には難しいとされており、いつ来るのかは正確に知りえる方法がまだありません。

 

これから不動産をお持ちになる方は、地震が気になるという方も多いのは事実です。

 

ではこの地震のリスクを考えるのであればどのように考えればリスクを小さくできるのでしょうか。

 

ここでは過去の事例を元にその考え方をご紹介したいと思います。

実例として、東日本大震災は津波の被害が大きく、地震そのものというよりもこの津波により被害をうけた範囲が大きいため、阪神淡路大震災を例にとってお話したいと思います。

┃阪神淡路大震災のデータからリスクを読み取る

まず、当時地震が起きてから統計を取られたマンションの被害状況でいえば、5,261棟の

うち、大破という分類の致命的な損傷を受けたマンションは83棟です。

確率でいえば1.5%となっています。

そのうち、新耐震の基準で建設されたマンションは(1981年以降)10棟のみ。

圧倒的に旧耐震のマンションが被害として大きいことが伺えます。

震源に近く震度が強い地域では、新耐震とはいえ少なからず大破していますが、全体の比率で考えると0.19%と非常に確率は低くなり、1%にも満たない確率となります。

少なくとも、地震の事を考えるのであれば旧耐震のマンションの購入は止めておいた方がいいでしょう。

旧耐震のマンションが大破のうち88%を占めている以上、この考え方はまず間違いありません。

さらに中破となると108棟が該当します。

このうち新耐震は41棟。

これも旧耐震よりも確率は低くなります。

旧耐震の物件はそもそも物件数が少ないので、総計366棟のうち被害を受けた棟数188棟の確率で考えると、被害が出る確率が51.3%と半数を超えています。

新耐震の物件は全体の数3084棟のうち、224棟の被害を確率で見ると7.2%と確率そのものが非常に低くなっていることがわかります。

地盤や構造、震源地など様々な要因が考えられるため、完ぺきな予測は難しいにしても、新耐震の基準で建築された建物というだけでも大きくリスクヘッジになることは間違いありません。

 

東海東南海地震の予測では様々な被害予測がシミュレーションされ公表されていますが、東京では震度の予測が最大震度5の想定となっています。

マンションの耐震性能上、震度5では基本的に大きなダメージはありませんので、東海東南海地震で東京のマンションが大きな損害を受ける可能性は低いでしょう。

しかし、関東大震災や富士山の噴火等の、関東に大きな損害をもたらす地震も想定できる以上、やはり古いマンションほど過去の地震では大きな損害を受けているので、被害を抑えるにはなるべく新しいマンションを選んで頂く必要性があるかと思います。

耐震性ということであれば、制震マンションや免震マンションもあり、さらに制震免震双方の技術が使われているマンションも出てきています。

こういった地震に対しての技術も大きく進化している中では、物件の選び方についても様々な選択肢があることになります。

 

一方で戸建ての場合は、日経新聞で掲載された記事ですが、戸建ての住宅の内1981年~2000年の間に建築された木造の物は、既存建築物の84%が大きな地震により倒壊の可能性があるとの見解が発表されています。

戸建ての場合、熊本地震のデータからも2000年以降の建築物の方が圧倒的に被害状況が少ないとの報告になっています。

 

この様なデータからも、少しでも新しい建物になればなるほど建築技術が進化していて、地震に対しての倒壊や被害のリスクは小さくなることがわかります。

 

もしも倒壊した場合でも阪神淡路大震災の大破、中破の物件のうち、既存不適格等の建築上の問題がある物件以外は建て替えや補修、売却により全て決着がついて復旧作業が終了しています。

┃まとめ

ただ単に借金だけが残って建物がない等の被害はまずあり得ないということです。

むしろ戸建てと比べて考えるとマンションの倒壊するリスクは圧倒的に低いということになり、戸建ての多くが倒壊して住める状態にない物が多くなる中で、マンションは住居としての利用価値を残している可能性が圧倒的に高いということになります。

その他にも数としては少ないですが、エル(L)字型の建築物等が地震時には揺れが建物同士干渉しあって建物が壊れやすい等の特徴があったりもします。

地震の全てのリスクをヘッジするのは不可能です。
しかし、耐震上の性能であれば新しい物を選んで購入する、地震保険に入っておく、エル字型の建物を避けて購入する等のリスクを最小限に抑える物件の選び方は存在します。

不動産は長期に渡って家賃収入を得ることを目的としています。
その長い時間の中で何が起こるかは確実に予測することは誰にもできませんが、安全な投資に限りなく近づけることはできます。
安心して物件を購入する為にもきちんとした考え方は持っておいて損がありません。

 

現在の会社に入社後、設立初期より営業部を統括、本部長を務める。以降融資担当部長、流通事業部では仕入れ先開拓業務に従事、後に管理業務部等を歴任。

現在は自社セミナーを始め、様々な会社との協賛セミナーの講師を務めながら、常に世に発信する立場で不動産業に従事している。

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