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マンション投資を始めると、購入時や管理時、売却時のタイミングで税金が発生します。
税金の種類や計算方法、節税するポイントについて解説するので、ぜひ参考にしてください。
また、マンション投資が必ずしも節税につながるとは限りません。節税できるケースや注意点についても見ていきましょう。
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目次
マンション投資を行う上で、さまざまな税金を納めることになります。マンション購入時と管理時、売却時の3つに分けて、どのような税金を課せられるのか見ていきましょう。
まずはマンション購入時にかかる税金です。主な税金の種類としては、次の3つが挙げられます。
● 印紙税
● 登録免許税
● 不動産取得税
それぞれの税金が発生するタイミングや計算方法について解説します。
契約書などを作成し、発行したときには「印紙税」が課せられることがあります。例えば、マンションを購入するときには不動産売買契約書を作成することが一般的です。この際、売買金額を基に印紙税が発生し、契約書などに印紙を貼付することで納税します。
契約書に記載された売買金額 | 印紙税額 |
500万円超1,000万円以下 | 1万円 |
1,000万円超5,000万円以下 | 2万円 |
5,000万円超1億円以下 | 6万円 |
1億円超5億円以下 | 10万円 |
※2022年4月1日以降の取引に関しての税率です。
また、マンションを購入するときに住宅ローンを組むこともあるでしょう。その際には金銭消費貸借契約書を作成し、借入れ額を基に印紙税額が課税されます。
出典:国税庁「No.7140 印紙税額の一覧表(その1)第1号文書から第4号文書まで」
マンションを購入したときには、法務局で土地や建物の所有権の登記を行います。登記を行う際には「登録免許税」が課せられるので、登記するときに納付しましょう。
なお、売買により所有権が発生した場合、登録免許税は以下の計算式で求めます。
● 土地:固定資産評価額×2.0%(※) ● 投資用の中古建物:固定資産評価額×2.0% ● 投資用の新築建物:固定資産評価額×0.4% |
また、マンションを担保としてローンを借りた場合には、上記の登録免許税に加え、抵当権設定のための登録免許税がかかります。
借入れ額×0.4% |
※2023年3月31日までに売買により取得した不動産の登記を行うときは、税率は1.5%となります。
投資用のマンションを購入すると、後日、都道府県から「不動産取得税」の納税通知書が届きます。東京都の場合、不動産取得税の計算方法は以下のとおりです。
● 土地:固定資産評価額×3%(※) ● 建物:固定資産評価額×4%(※) |
※2024年3月31日までの東京都の税率です。不動産取得税は地方税なので、詳しくは都道府県に問い合わせてください。
2024年3月31日までに宅地を取得した場合には、適時申告することで不動産取得税の軽減措置が適用されます。軽減措置が適用された場合の不動産取得税の計算方法は以下のとおりです。
● 宅地:固定資産評価額×1/2×3%(※) |
なお、宅地とは土地のことです。また、この軽減措置は申告した場合のみ適用されるので、忘れずに申請するようにしましょう。申請方法については、都道府県に問い合わせてください。
※2024年3月31日までの軽減措置です。
マンションを保有している期間中も税金が課せられます。主な税金としては、次の54つが挙げられるでしょう。
● 固定資産税 ● 都市計画税 ● 所得税・住民税 ● 個人事業税 ● 消費税 |
マンション購入時にかかる税金は、いずれも1回のみ課税されます。しかし、マンション保有中に課せられる上記の4つの税金は、マンションを所有している限り、毎年かかる可能性がある点に注意しましょう。
固定資産税は、毎年1月1日時点に不動産を所有している方に対して請求される税金です。税額は以下の計算式で求めます。
固定資産評価額×1.4% |
固定資産税には軽減措置があり、住宅用地に対しては以下のルールが適用されます。
● 200㎡以下の部分:固定資産評価額×1/6×1.4%
● 200㎡超の部分:固定資産評価額×1/3×1.4%
ただし、マンション1棟を所有している場合などは、住戸1戸あたり200㎡までの住宅用地に対する固定資産税額が1/6になる点に注意しましょう。
例えば、住戸20戸のマンションを1棟(土地2,000㎡)を所有している場合であれば、20×200㎡=4,000㎡になるため、土地全体の固定資産税額に軽減措置が適用されて通常の1/6になります。
また、マンションを購入した年の固定資産税についても注意が必要です。
本来は1月1日時点に所有している方に対して請求されるため、1月2日~12月31日にマンションを購入した場合は、その年の固定資産税の納付義務はありません。
しかし、これでは不動産の売主の負担が大きすぎるとの判断から、マンションを購入する際にその年の固定資産税額を日割り計算し、買主も負担するように取り計らうことがあります。
例えば、ある年(うるう年以外)の12月1日にマンションを購入したのであれば、買主はその年の固定資産税額のうち31/365を負担することができるでしょう。
都市計画税も、毎年1月1日時点に不動産を所有している方に対して請求される税金です。税額は以下の計算式で求めます。
固定資産評価額×0.3% |
都市計画税も軽減措置があり、住宅用地に対しては以下のルールが適用されます。
● 200㎡以下の部分:固定資産評価額×1/3×0.1%
● 200㎡超の部分:固定資産評価額×2/3×0.1%
マンション1棟などの複数の住戸を含む不動産を所有している場合は、固定資産税と同じく住戸数×200㎡の範囲内で都市計画税が1/3になる軽減措置が適用されます。
また、不動産を購入した年の税額についても固定資産税と同様です。本来、1月2日~12月31日に所有している方には納税の義務はありませんが、売買の際に日数分の都市計画税を売主に支払うことになるでしょう。
以下の計算式によって不動産による所得額を求めます。
不動産による所得額=総収入金額 – 必要経費 |
なお、借家人から受け取った金額のうち、敷金のように返還する可能性があるものについては総収入金額に含めません。また、必要経費に該当する費用としては以下のものがあります。
● 固定資産税などの税金 ● 火災保険や地震保険の保険料 ● 減価償却費 ● ハウスクリーニング代や清掃費などの不動産維持費用 ● 設備交換や修繕にかかった費用 ● 不動産管理会社への委託料 ● 司法書士などに支払う専門家報酬 |
減価償却費は、不動産購入にかかった費用を耐用年数で割って求めます。例えばRC構造の物件は耐用年数が47年なので、購入にかかった費用を47で割り、毎年減価償却費として必要経費に含めることが可能です。
これらの計算から不動産による所得額を計算した後は、以下のように課税所得額を求めます。
課税所得額=不動産による所得額+他の所得額-各種控除 |
所得税率は課税所得額によって異なるので、正しい税率を適用して以下の計算式から所得税額を計算しましょう。
所得税額=課税所得額×所得税率-課税控除額 |
所得税率は以下から確認してください。
課税所得額 | 所得税率 | 課税控除額 |
1,000円~194万9,000円 | 5% | 0円 |
195万円~329万9,000円 | 10% | 9万7,500円 |
330万円~694万9,000円 | 20% | 42万7,500円 |
695万円~899万9,000円 | 23% | 63万6,000円 |
900万円~1,799万9,000円 | 33% | 153万6,000円 |
1,800万円~3,999万9,000円 | 40% | 279万6,000円 |
4,000万円以上 | 45% | 479万6,000円 |
一方、住民税額は課税所得額に関わらず以下の計算式で計算(※)できます。
● 住民税額=課税所得額×10%
※実際の住民税額は、上記の計算式で求めた税額に5,000円ほどの均等割額が加算されます。均等割額が自治体によって異なるので確認しておきましょう。
戸数が10戸以上のマンションを経営しているときなどは事業だと判断され、個人事業税の課税対象になります。課税所得額が290万円を超えるときは以下の計算式で個人事業税額を求めましょう。
● 個人事業税額=(不動産による所得額-290万円)×5%
なお、事業が1年未満(マンション投資を始めた最初の年など)のときは、月割で控除額が決まります。例えば、その年の営業期間が1か月のみのときは、以下のように個人事業税額を求めましょう。
1か月分の個人事業税額=(不動産による所得額-24万2,000円)×5% |
前々年度の課税売上高が1,000万円を超えたときは、消費税の課税事業者として登録し、消費税を納める義務が発生します。なお、課税売上高に含めるのは、以下の取引から発生する売上です。
● 居住用不動産以外の家賃
● 駐車場の賃料
● 建物の譲渡
● 家賃に含まれていない公共料金
投資用のマンションを売却するときも、税金が発生します。主な税金としては次のものが挙げられるでしょう。
● 所得税・住民税
どのようなケースにおいて所得税や住民税がかかるのか、またどの程度の税率が適用されるのか、詳しく見ていきましょう。
以下の計算式で譲渡所得額を求めましょう。
譲渡所得額=譲渡時の収入-(取得にかかった費用+譲渡にかかった費用) |
取得時と譲渡時の費用には以下のものを含めることができます。
取得にかかった費用 | 譲渡にかかった費用 |
● 不動産の購入代金(※) ● 購入時に支払った手数料 ● 購入時に支払った登録免許税や不動産取得税、印紙税など |
● 不動産会社などに支払う仲介手数料 ● 売却時に支払った印紙税 ● 借家人の立ち退きにかかった費用 ● 建物を取り壊すときの費用 |
譲渡所得額が0円以上のときは、以下の計算式で税金(所得税と住民税、復興特別所得税の合計)を計算しましょう。
● 長期所有になる場合:譲渡所得額×20.315% ● 短期所有になる場合:譲渡所得額×39.63% |
なお、売却時の1月1日時点において所有期間が5年を超える場合は長期所得、5年以下のときは短期所得とします。
※土地に対しては購入代金全額を取得費用とすることができますが、建物に対しては減価償却費相当額を差し引いて取得費用とします。
マンションなどの不動産投資をおこなうことで、節税できることがあります。簡単に仕組みを解説します。
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不動産投資では、投資用物件の購入にかかった費用は減価償却費として経費計上できます。
例えば、1億円の物件(償却年数20年)を使って不動産投資をする場合なら、単純計算すると減価償却費は年に500万円です。つまり、毎年500万円は不動産投資による利益から差し引けます。
減価償却費以外の経費が年間100万円、不動産投資による収入が年間200万円であれば、トータルで年400万円(200万円-100万円-500万円)の赤字会計です。
給与の課税所得額が1,200万円で、そのほかの収入がない場合なら、不動産投資による赤字と損益通算して、実際の課税所得額は800万円になります。
課税所得額が1,200万円のときは所得税額は242.4万円ですが、800万円なら120.4万円です。
つまり、この場合なら、不動産投資をおこなったことで、122万円もの所得税額を節税できたことになります。
また、課税所得額に対して約10%の住民税が課せられます。課税所得額が400万円減ったことにより住民税額は約40万円減ると概算できるため、所得税・住民税トータルで約162万円もの節税が可能です。
給与所得などがあり、なおかつ減価償却費などにより不動産投資が赤字会計であれば、所得税・住民税の節税が可能です。
しかし、誰もが節税効果を得られるわけではありません。
不動産投資による節税効果が大きいかどうかは、課税所得によっても変わります。
一般的には、課税所得額が年900万円以上のときは、不動産投資による節税効果が大きいといわれます。
これは、所得税の税率が、課税所得額が増えると高くなる「累進課税制度」であることと無関係ではありません。
課税所得額が900万円以上のときは所得税率は33%(※)以上となり、住民税率の約10%と合算すると約43%以上が税金になります。
不動産を売却したときに課せられる税率(短期譲渡の場合なら所得税率30%(※)、住民税率9%の合計39%)を超えますが、不動産投資の赤字会計との損益通算をすれば、大幅な節税を期待できるでしょう。
※2037年までは所得税額に2.1%の復興特別所得税が課せられます。
一方、課税所得が900万円未満の場合は、所得税率は23%以下です。住民税率と合わせても33%以下となり、不動産を売却したときに適用される税率とあまり差がありません。
また、課税所得額が900万円未満の場合は、課税所得額が900万円以上の場合と比べると所得税額も少なく、不動産投資で赤字会計でも大きな節税効果にはつながりにくいでしょう。
とはいえ、課税所得があり、なおかつ不動産投資が赤字会計であれば、ある程度の節税効果は得られます。不動産投資にかかる労力と節税効果を比較し、節税効果のほうが大きいと判断するときは、不動産投資も検討してみましょう。
マンション投資にはさまざまな税金がかかります。税金が多いと、その分、マンション投資による所得が減ることになるため、適切な方法で節税を心掛けることが大切です。節税につながる3つの方法について見ていきましょう。
● 経費を正しく申告する ● 減価償却費を正しく申告する ● 青色申告を利用する ● 保有している現金を「賃貸用不動産」として相続する |
それぞれの方法について詳しく解説します。
不動産投資によって節税するためには、減価償却費などの経費を正しく申告することが必要です。確定申告期間中に忘れずに申告・納税手続きをしてください。
なお、生命保険控除や2年目以降の住宅ローン控除など、一部の税金に関する手続きは、勤務先の年末調整でおこなえます。
しかし、不動産投資にかかる税金の手続きは、年末調整ではおこなえません。勤務先に勤めている方でも、確定申告をする必要がある点に注意しましょう。
確定申告には、次の書類が必要になります。
● 確定申告書(B)
● 賃貸借契約書 ● 管理会社が発行する家賃明細書 ● 固定資産税納税通知書の写し ● 管理会社に支払う管理費がわかる書類 ● 損害保険料がわかる書類 ● 修繕費の支払額がわかる資料 ● ローンの返済表 ● 源泉徴収票(勤務先がある場合) |
青色申告をする場合は、上記の書類に加えて青色申告決算書も提出します。
青色申告決算書には、貸借対照表や損益計算表、売上の内訳などを記載することが必要です。確定申告期間中に提出できるよう、普段からこまめに帳簿記入をおこないましょう。
確定申告期間中に申告・納税をおこなわなかったときは、延滞税や無申告加算税、重加算税などのペナルティが課せられます。また、意図的に過少申告した場合には、過少申告加算税が課せられます。
ペナルティとなる税金 | 内容 |
延滞税 | 納期限の翌日以降、延滞日数によって加算 |
無申告加算税 | 納付すべき税額に対して50万円までは15%、50万円を超える部分には20%の加算、300万円を超える部分には30%の加算 |
重加算税 | 無申告の場合は40%、過少申告の場合は35%の加算 |
過少申告加算税 | 新たに納める税額に対して50万円までは10%、50万円を超える部分には15%の加算 |
例えばマンション投資を行う期間中、投資によって得た所得額に対して所得税や住民税が課税されます。
10戸以上のマンションであれば、個人事業税も課せられることになるでしょう。
いずれの税金も、収入から経費を差し引いた金額に対して課せられます。つまり、経費が多ければその分、所得額は減り、節税することが可能です。
経費として支払った費用は正しく申告し、適切に節税するようにしましょう。
また、マンションを売却するときは、譲渡所得額によって課せられる所得税や住民税などを納付することが必要です。
譲渡所得額は、購入時や売却時にかかった経費を差し引いて求めるため、正しく経費を申告することで節税につなげることができます。
以下の費用は、マンション管理の経費として認められることが一般的です。
忘れずに経費計上して、節税に活かしてください。
●固定資産税などの税金
●火災保険や地震保険の保険料 ●減価償却費 ●不動産の維持管理にかかる費用 ●不動産管理会社への委託料 ●司法書士などに支払う専門家報酬 ●マンション購入のためにローンを組んだときは、ローンの利息 |
また、投資用のマンションを売却するときは、以下の費用も経費として算入できます。
●土地の購入代金
●減価償却分を差し引いた建物の購入代金 ●購入時や売却時の手数料 ●購入時や売却時に納付した税金(所得税・住民税除く) ●借家人の立ち退きにかかった費用 ●建物を取り壊すときの費用 |
以下の費用は、経費として認められないことが一般的です。
●マンション投資に関係がないと思われる費用
●マンションの価値が向上するための工事にかかった費用 ●会合に出席するときの衣類代など ●マンションローンの借入元本に相当する金額の返済分 |
マンション投資とは関係のない費用については、経費としては認められません。
例えば、マンション購入時にローンを借り、その返済における元本相当額は経費計上できません。ローンの利息部分とは分けて帳簿に記載しておきましょう。
また、マンションの修繕費は経費計上できることがありますが、マンションの価値が向上するような修繕については経費として一括で計上するのではなく、数年にわたって減価償却する必要があります。
例えば、今までエレベーターがなかった建物にエレベーターを設置したり、全館空調設備を導入したりしたときは、修繕というよりは価値向上のための工事と判断されるため注意してください。
その他にも、管理会社や不動産会社との打ち合わせのために使った交通費などは、経費計上できることがあります。
しかし、打ち合わせのために新調したカバンや洋服などの費用は、経費とは認められないでしょう。
また、マンション購入のためにローンを組んだときは、ローンの返済額のうち、利息に相当する金額は経費計上可能です。
しかし、借入元本に相当する金額は経費計上できないため、注意しましょう。
混同しないためにも、毎月のローン返済額を帳簿に記載するときに「元金相当分」「利息相当分」と区分けしておくことがおすすめです。
どの費用が経費として認められるか迷うときは、事前に税理士に相談するようにしてください。
相談しないまま確定申告をすると、後で税務調査を受けたり、悪意があると判断されるときはペナルティを課せられたりする可能性もあります。
投資用マンションを購入したときの代金も、建物に相当する金額については、毎年減価償却費として経費計上が可能です。正しく申告することで、課税所得額を減らし、節税につなげていきましょう。
課税所得額を求めるときは、経費だけでなく「青色申告特別控除」も差し引くことができます。
青色申告特別控除の控除額は、事業規模で行うときは65万円、マンション1室の規模では10万円です。
課税所得額を減らすためにも、青色申告特別控除を利用するようにしましょう。
なお、青色申告特別控除の利用には、開業届と青色申告承認申請書を事前に税務署に提出しておくことが必要です。
また、青色申告特別控除の基準を満たすと、控除額が増えるだけでなく、赤字が生じたときは3年にわたって繰り越して、翌年以降の課税所得額を減らすこともできます。
相続税とは、相続するモノの評価額によって税率が変動する税金のことです。不動産投資における相続税の節税とは、贈与税と同じく不動産のまま相続する方が現金に変えた場合よりも低い金額になるためです。
仮に1億円を全て現金で相続した場合、現金1億円が評価額となります。一方で、賃貸用不動産として1億円を相続した場合、50~60%程度が評価額となります。
結果的に、現金のまま相続するよりも相続税を抑えることができます。
マンション投資を節税の手段として利用するケースもあります。しかし、減価償却費などを上手に活用すれば節税できることもありますが、必ずしも節税を実現できるとはいえないので注意が必要です。特に注意したいポイントとしては次の3点が挙げられます。
● 減価償却期間を意識する
● 投資により利益が生じると節税は難しい
● 所得税額などが少ないと節税効果も少ない
それぞれのポイントについて、詳しく見ていきましょう。
課税所得額の経費として計上できる費用のうち、減価償却費は高額を占めることがあります。そのため、減価償却費を正しく申告することが節税のコツとなりますが、減価償却費が発生するのは建物の耐用年数のみという点に注意しましょう。例えばRC構造の建物であれば、築47年を超えると減価償却費を計上できません。
また、中古マンションを取得した場合の減価償却期間にも注意が必要です。中古マンションの耐用年数は以下の計算式で求めます。
(新築時の耐用年数-経過年数)+経過年数×0.2 |
例えば、築40年のRC構造のマンションを購入した場合であれば、耐用年数は(47-40)+40×0.2=15年です。つまり、16年目以降は減価償却費を費用に含めることができません。
マンション投資で赤字が生じると、その分、他の所得と通算して課税所得額を減らし、所得税額や住民税額を減らせることがあります。しかし、このような節税目的でマンション投資を行う場合、経営がうまくいって利益が生じると目的を達成することができません。
給与が多く所得税額が多い方であれば、マンション投資によって生じた赤字を活かして所得税額や住民税額を効果的に節税できることがあります。しかし、元々の所得税額が少ない場合には、節税効果も少なくなるので注意しましょう。
マンション投資にはさまざまな税金が発生し、場合によっては損失につながることもあります。
また、節税を意識するあまり時間的な負担が増えるのも好ましいこととはいえません。投資や税金に対する正しい知識を得てからマンション投資を始めることが、成功のポイントといえるでしょう。
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J.P.Returns株式会社
執行役員 コンサルティング3部 本部長
J.P.RETURNS執行役員。
J.P.RETURNSに入社後、設立初期より営業部を統括、本部長を務める。以降融資担当部長、流通事業部では仕入れ先開拓業務に従事、後に管理業務部等を歴任。数百戸の投資用区分マンションを販売、自身でも6件の不動産を所有、運用している。現在は自社セミナーを始め、様々な会社との協賛セミナーの講師を務めながら、常に世に発信する立場で不動産業に従事している。
【書籍】
日本で最も利回りの低い不動産を持て!
マンション投資2.0
【ブログ】
室田雄飛のモグモグ不動産投資ブログ
新卒で入社した大手投資用マンションディベロッパーで、歴代最高売上を記録。その後、財閥系不動産会社で、投資物件のみならず相続案件、法人の事業用物件、マイホームの購入や売却といった様々な案件を経験。 2018年にJ.P.RETURNSの新規事業部立ち上げに参画。また、セミナー講師として、延べ100回以上の登壇実績を持ち、年間300件以上の顧客相談を担当している。
【保有資格】
宅地建物取引士、ファイナンシャル・プランナー(AFP)