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円安は為替差益を得られるなど投資のチャンスです。海外投資家による不動産購入が増えるなど、不動産市場も変わります。低金利政策が続けば、不動産を購入しやすくなるのもメリットです。
本記事では、円安が投資一般や不動産投資に与える影響について紹介します。
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円安とは外国の通貨に比べて円の価値が低くなることです。日本円は戦後長い間、1ドル=360円という固定相場制でしたが、1973年に変動相場制に移行しています。その後、円の価値は政治的・経済的要因により変動するようになりました。
近年の為替市場は円安が進んでおり、2022年9月1日時点では1ドル140円台と、1998年以来24年ぶりの円安水準に突入しています。
ここでは円安の原因やメリット・デメリット、投資に与える影響について紹介します。
円安とはドルなど外国の通貨に比べて円の価値が低くなることで、反対に価値が高くなるのが円高です。例えば円相場が1ドル=100円となる場合を基準にすると、1ドル=110円になれば円の価値が下がったため円安であり、1ドル=90円になれば円高となります。
2022年に入ってから円安は急速に進んでおり、その主な原因は日米の金融政策とされています。
今回の円安は、日本とアメリカの金利政策の違いが主な原因です。日米両国は景気回復のために長く金融緩和政策をとっていましたが、物価が上昇したアメリカは3月に金利の引き上げを行いました。
一方、日本は金融緩和政策を継続しており、現在は日米の金利差が拡大している状況です。金利差の拡大により、金利が高く運用の利益が見込めるドルを買って円を売る動きが加速します。そのために円安が進むことになりました。
円安になるとネガティブな報道が目立つようになりますが、デメリットばかりではありません。まず、輸出企業が活性化するというメリットがあります。日本国内で製造された製品は海外で割安になり、売上が向上するためです。そのため、輸出企業の業績は上がるでしょう。ただし、海外向けの製造業でも海外生産の比率が高い場合は、円安のメリットを受けにくくなります。
反対に、海外から輸入する物の値段は上がります。日本では食材やエネルギーの多くを輸入に頼っているため、小麦などの食料品や電気代・ガス代が値上がりしやすく、家計の負担が大きくなるのが円安のデメリットです。
投資の世界では、ドル高・円安など通貨の動きを利用して為替差益を獲得できるのがメリットです。ドルを買ったあと、円安になったときに売ればその差額が利益になります。この仕組みを利用して利益を得るのがFXです。
また、円安では外貨預金や米国国債への投資で利益が見込まれます。日本株では輸出関連・インバウンド関連の株式銘柄などへの投資が利益を獲得しやすい状況です。
また、外国の投資家にとっては、円安下での日本不動産は魅力的な投資先といえるでしょう。不動産投資への影響については、次の項目で紹介します。
円安が不動産投資に与える影響は少なくありません。まず、円安により海外から見て日本の不動産は買いやすくなります。高値で売却できるなど、不動産投資の戦略が変わるでしょう。一方で、賃貸経営にはあまり大きな影響はありません。
また、不動産のような現物資産は、物価上昇の影響をあまり受けないという強みがあります。
円安が不動産投資に与える影響について、見ていきましょう。
円安により、不動産投資の戦略は変わります。円の価値が低くなるため、海外から見ると相対的に国内の不動産が安くなります。そのため、海外の投資家による不動産購入が増える傾向があり、不動産売却による差益が期待できるでしょう。
海外投資家のお金が国内の不動産市場に流れ込むことで不動産業界は活気づき、市場に中古物件が多く出回りやすくなります。それだけ投資のチャンスも増えるでしょう。
また、日本では建築に必要な材料の多くを輸入に頼っており、これらは円安で価格が上昇します。そのまま建築費の上昇を招き、不動産価格の高騰へとつながりやすいでしょう。不動産価格は円安で直ちに上昇するわけではないため、まだ価格が上がり切らない不動産を購入し、高くなった時点で売却するといった戦略も可能です。
不動産投資の基本ともいえる賃貸経営は、不動産売買と比較して円高・円安の影響をあまり受けません。家賃価格が影響を受けるのは築年数や立地条件などで、物価の上昇など経済の動向に賃貸料が影響を受けることは少なめです。
特に東京の都市圏や立地条件の良いワンルームマンションなどは、円安により家賃価格が下落するという心配はほとんどないといってよいでしょう。
円安により輸入材料の値段が上がれば、多くの企業にかかるコストは増えて利益が減るため、商品やサービスの価格が上がりインフレが進みます。
物価が上がれば現金の価値はその分減りますが、不動産のような現物資産は資産自体に価値があり、現金のように価値が下がることはほとんどありません。また、インフレが進む状況では先行きの不安から、価値の下がりづらい不動産が買われる傾向があります。そのため、かえって価格の上昇が期待できる状況といえるでしょう。
円安は不動産市場にさまざまな影響を与えます。
まず、輸出企業の業績が上がって株価が上昇し、関連企業にもお金が回って景気が良くなります。利益を得た企業が余剰資金の投下に選びやすいのが、資産価値の高い不動産です。
海外投資家の不動産購入とあいまって不動産市場が活性化し、競争が生まれて売買価格も上がるでしょう。価格上昇により、家賃相場も上がることが期待できます。
円安になると物価の上昇を抑えるため、金利を引き上げる政策がとられる傾向にあります。しかし、日本は低金利政策を維持している状態です。2022年6月、日本銀行は金融緩和政策を維持することを発表しており、低金利政策が続いています。
低金利政策のもとでは、不動産投資ローンの金利も低くなります。変動金利ローンでは当初の金利が低く、円安で金利が下がるほど返済負担が軽くなるため、不動産を購入しやすくなるでしょう。
ただし、仮に借入金の金利が高い場合でも、運用により投資効果を出すことは可能です。以下の記事で解説していますので、ぜひ参考にしてください。
不動産投資は物価上昇の影響を受けづらいなど、円安時においても魅力的な投資方法といえます。「不動産投資を始めてみたい」という方は、まず不動産投資とは何かを確認しておきましょう。
不動産投資で利益を受ける方法は、売却して差益を得るキャピタルゲインと長期的な賃貸経営により家賃収入を得るインカムゲインの2通りあります。このうち、不動産投資のメインはインカムゲインです。
ここでは、そもそも不動産投資とは何かについて解説します。
不動産投資で利益を得る仕組みは、大きく以下の2つに分けられます。
・キャピタルゲイン(売買益)
・インカムゲイン(家賃収入)
キャピタルゲインとは、所有している不動産を購入時よりも価格が上がったタイミングで売却することにより得られる差益のことです。
インカムゲインとは、購入した不動産を貸し出すことで得られる家賃収入を指します。家賃価格はほかの金融商品と比べて景気変動の影響を受けづらく、長期的な資産形成ができる投資です。
賃貸経営では管理費や修繕費、ローンの返済などの支出があり、収支を黒字にしていくことが成功のポイントとなります。
不動産の価格が上りやすい時代やエリアであればキャピタルゲインが有効ですが、近年はインカムゲインを目的とする不動産投資がメインです。
また、不動産の価格が低い時期に不動産を購入した場合は、しばらく賃貸収入で利益を得てから価格が上がったときに売却し、キャピタルゲインを狙うという方法もあります。
投資一般のキャピタルゲインとインカムゲインについては、以下の記事で解説しています。
インカムゲインで安定収入を得るポイントとキャピタルゲインとの違い
一般的に個人投資家が行う不動産投資は、ローンを活用して投資用不動産を購入し、賃貸運用で安定した賃料収入を得るインカムゲインです。
インカムゲインを目指す不動産投資にもさまざまな種類があり、大きく区分マンションと一棟マンション・アパートに分けられます。区分とはマンションを一室単位で購入するものです。なかでもワンルームマンションの区分投資は初期費用を抑えられるため、初心者でも始めやすいのが魅力です。また、いくつものエリアに分けて購入し、運営するという手法もできます。
不動産投資は、ほかの投資にはないさまざまな特徴があります。どの投資も初期費用が必要ですが、不動産投資はローンを利用できるという点でほかの投資とは異なります。
また、不動産投資はエリアや物件をしっかり選定すれば、安定した収入が得られるというのもほかにはない特徴です。
不動産投資とほかの投資との違いについて、詳しく見ていきましょう。
不動産投資は金融機関からのローンができる唯一の投資です。自己の信用を活かし、少ない自己資金でより大きな利益を得るレバレッジ効果を得ることができます。ローンの返済は家賃収入で支払うことができ、支払いが完了したあとは不労所得にすることも可能です。
ローンを組むことで、手持ちの資金を残すこともできます。不動産投資では修繕費など急な出費が必要になるケースが少なくありません。空室が埋まらないリスクもあります。収入がないときもローンの返済は必要です。そのような場合に備えて手持ちの資金を残しておけば、安心して運用できます。
また、ローンを組むことで団体信用生命保険に加入できるのがメリットです。団体信用生命保険とは、ローンの契約をした人が完済前に亡くなった場合、その時点の残債を弁済する保険制度です。万が一の場合にも、ローンを完済した不動産を家族に残すことができます。賃貸経営がうまくいっている不動産であれば、家賃収入で生活していけるでしょう。
ただし、ローンには審査があり、年収などの条件では借入できない場合もあります。審査に通りやすくするためには、頭金が必要になる場合もあるでしょう。頭金の目安は物件価格の10〜20%程度とされています。毎月のローン返済の負担を抑えるためにも、頭金の用意は必要といえます。
投資には不動産投資のほかに株投資やFXなど、さまざまな種類があります。すべてに共通するのは、リスクを伴うことです。その代わりにリターンもあり、リスクとリターンは比例しています。リスクが高ければそれだけリターンも大きいということです。
株式やFXがハイリスク・ハイリターンなのに対し、不動産投資はミドルリスク・ミドルリターンといわれています。一般的には中級者向けとされていますが、空室が埋まれば毎月安定した家賃収入が得られることが多いのが特徴です。立地条件の良い物件を探すなどすれば、リスクの低い投資にすることもできるでしょう。
賃貸経営には管理費や修繕費などさまざまな支出があり、賃借人募集など手間もかかります。しかし、最初に仕組みを作り、修繕など収支の計画をしっかり立てれば、中長期的にわたり不労所得を得ることが可能です。現役のうちにローンを完済しておくことで定年退職後、年金代わりにもなるでしょう。
不動産投資は、サラリーマンでも取り組みやすいというメリットがあります。株やFXなどの投資は値動きを監視するための時間が必要ですが、不動産投資であれば、物件購入後の入居者探しや家賃の入金といった賃貸経営の管理を管理会社に委託できます。
また、安定した収入のあるサラリーマンは金融機関のローン審査に通りやすく、少ない自己資金で始めることが可能です。
不動産投資は、サラリーマンにとって節税効果もあります。不動産投資で支出した経費が家賃収入を上回って赤字になった場合、給与所得と損益通算して課税所得を抑えることができるためです。課される所得税・住民税を節税することができます。
とはいえ、サラリーマンの場合、不動産投資が副業にあたるかが問題になるケースも少なくありません。会社によっては就業規則で副業が禁止されている場合があります。会社が副業を禁止している理由は、情報漏洩の可能性があることや、副業に力を入れて本業に支障を及ぼすことなどがあげられます。
しかし、不動産投資は管理会社に委託すれば本業に支障はなく、不動産を所有していることで会社の情報が漏洩する可能性も低いでしょう。不動産投資をすることで会社にリスクはほとんどなく、会社が禁止している副業にはあたらないというのが一般的な考え方です。
ただし、自社の就業規則で副業が禁止されている場合は、念のため事前に確認してから始めるのがよいでしょう。
不動産は実物資産であり、それ自体に価値があります。社会情勢が変わっても、価格変動しづらいのが特徴です。住居は生きていくために必要であり、経済の動向によって直ちに家賃の支払いがストップすることはありません。
これまでリーマンショックや新型コロナの感染・拡大など社会情勢の大きな変化が起きたときでも、都市圏における家賃の大幅な下落などはなく、安定を維持しています。
社会情勢の変化には強いとはいっても、不動産投資に成功するかどうかは運用次第です。以下の記事ではマンション投資の成功事例と失敗事例を紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
マンション投資の成功事例・失敗事例!成功率を高めるコツも紹介
円安により物価が上昇しても賃貸経営には大きな影響はなく、基本的に円安が不動産投資にマイナスな影響を与えることは少ないといってよいでしょう。むしろ、円安になると海外投資家による不動産購入が増えることにより、不動産市場の活性化が予想されます。不動産投資を行うチャンスと考えてよいかもしれません。
円安など社会情勢の変化にも強い不動産投資を始めたいと考える方におすすめなのが、J.P.RETURNSの不動産投資セミナーです。専門家による充実した講義により、不動産投資の基礎知識から応用編まで学べます。講義後はマンツーマンの質疑応答を行うため、不動産投資について疑問や不安がある方は、利用してみてはいかがでしょうか。
J.P.RETURNSホームページはこちら⇒https://jpreturns.com/
J.P.Returns株式会社
執行役員 コンサルティング3部 本部長
J.P.RETURNS執行役員。
J.P.RETURNSに入社後、設立初期より営業部を統括、本部長を務める。以降融資担当部長、流通事業部では仕入れ先開拓業務に従事、後に管理業務部等を歴任。数百戸の投資用区分マンションを販売、自身でも6件の不動産を所有、運用している。現在は自社セミナーを始め、様々な会社との協賛セミナーの講師を務めながら、常に世に発信する立場で不動産業に従事している。
【書籍】
日本で最も利回りの低い不動産を持て!
マンション投資2.0
【ブログ】
室田雄飛のモグモグ不動産投資ブログ
新卒で入社した大手投資用マンションディベロッパーで、歴代最高売上を記録。その後、財閥系不動産会社で、投資物件のみならず相続案件、法人の事業用物件、マイホームの購入や売却といった様々な案件を経験。 2018年にJ.P.RETURNSの新規事業部立ち上げに参画。また、セミナー講師として、延べ100回以上の登壇実績を持ち、年間300件以上の顧客相談を担当している。
【保有資格】
宅地建物取引士、ファイナンシャル・プランナー(AFP)