海外不動産について

2019/08/27

物件の選び方

不動産投資の中でも様々な選択肢があります。

中でも不動産投資の内でも、海外不動産に投資をしている方もいます。

 

実際に今検討されている方もいるのかもしれません。

 

 
┃海外不動産の特徴

 

海外の不動産の特徴としては、日本の不動産は基本的に値上がりは期待できませんが、

 

海外、特に東南アジアなどの後進国においては発展途上にあるので、主要な都市や観光地を中心に年々不動産価格が上昇しており、今もなお不動産が不足していることで急速に建物を供給しなければならない地域が沢山存在します。

 

 

 

インドネシア、タイ、フィリピン、ベトナムなどは観光地としても人気があり、リゾート施設などの集まる観光名所は日本よりも物価が高い、または不動産も高い事もあります。

 

それぞれの国の平均所得は日本の水準よりはるかに低い為に現地の人が自用で購入するには高額すぎるのですが、ホテル需要やリゾートマンションの取引価格は高騰しており、現地の所得水準から見る価格よりもはるかに高値で取引されています。

 

その中で投資マンションや、投資用のホテル等が積極的に販売されており、利回りも良く、価格が上昇することによりキャピタルゲインもとれる可能性があるために、海外投資を検討される方もいらっしゃいます。

 

 
┃海外不動産がおすすめできない理由

 

しかし、結論から言うと私はあまりお勧めしません。

 

なぜかというといくつかのリスクが日本の投資よりもはるかにリスクが高いことが原因です。

 

一つ目は自然災害のリスクです。

 

東南アジアは地震の発生も多いですし、津波による被害もかなりの頻度で出ています。

 

建物は日本の建物に比べ、あきらかに質は落ちます。

 

さらに近年は地球温暖化の影響により、台風が大型化しており、台風被害も頻発しています。

 

台風については今後さらに大型化する可能性が高く、そういった意味では被害がより大きくなることも想定されます。

 

 

 

二つ目は日本ではまずあり得ませんが、建設予定のマンションやホテルが工事が途中で止まってしまい、工事が進まなくなったり、実際は建たなかったり、話自体がでっち上げで詐欺にあったりと、お金は振り込んだものの計画が実行されない事による被害の話も今までにいくつも聞いたことがあります。

 

 

 

三つ目は家賃収入や売却益、配当についてです。

 

私が相談を受けたケースでも当初家賃が25万円取れると聞いて投資したマンションから、家賃が16万円しかあがってこないというお話を聞いたことがあります。

 

こうなってしまうと、運用の計画が大きく違ってきてしまいますので、想定通りの利益は手に入りません。あくまでも価格の値上がりや、家賃の値上がりなどは提案している会社の想定なだけで、逆に下がる可能性すらあるのです。まして話自体嘘である可能性も否定はできません。
契約してお金を振り込んだとたんに業者と連絡が取れなくなった方も身近にいらっしゃいます。
お金をもらう取引はさほど心配ありませんが、払う側の場合はこういった被害もあり得ます。

 

 

 

四つ目、これは土地勘などの立地に対しての基礎知識が全くない事です。

 

地図で見るのと実際に見るのとでは感覚的にも大きく違う点がいくつもありますが、地図で見ると近くても、実際は大きな高低差があったり、周りの建物が汚くて景色がわるかったり、臭いや騒音などの現地に行かなければわからないことが沢山あります。
日本ではあまりあり得ないことでも海外は普通にあり得るので、この点はよく確認する必要があります。

 

 

 

この他にも、政治リスクや、戦争、デモ、テロ、為替等の日本の中の国内投資では想定しなくてもいいリスクが数多く存在します。これらのリスクを十分にリスクヘッジするのは容易ではありません。
そういった意味ではギャンブル性の強い投資になるという事です。

 

東南アジアだけでなく、アメリカ、ドイツ、イギリス、様々な不動産投資がありますが、先進国の投資ではそこまで大きなリスクもないかも知れませんが、小さくなっているだけでリスクが日本に比べて高いのは同じです。

 

 
┃日本の不動産との違い

 

しかし、キャピタルゲインが取れる海外投資は、リターンも大きくなる可能性があるのもまた魅力だとは思います。人口が爆発的に増え、労働人口が増え、不動産は今も不足していて、町の都市化が進み、今後地下鉄も通る、そしてさらに人が集まる。こういった不動産市況が活発になる材料が目白押しの投資対象も存在します。

 

日本国内の不動産では投資する資金を借りることも容易ですが、海外はほとんどが現金で購入することになります。この点も大きく違います。

 

 

 

国によっては日本人の購入そのものが規制され出来ない国もありますし、制限があることもあります。

 

家賃収益や価格が上昇して売れた時の売却益に対して支払う税金や、家賃収入に対しての税金、そもそも日本への送金が出来るかどうか、またその手数料などのイメージを持っておく必要もあります。

 

 

 

ここに挙げたようなリスクをきちんとマネージメントできるかどうか、また利益が十分にそれを差し引いても取れるのか、さらに相手が本当に信用に足る取引相手であるかなどの確認が必要になりますので、決して表面的な利回りによる判断や、投資を販売している業者の話だけを鵜呑みにするような決断はしないようにして、投資する際は十分に気を付けてください。

 

 

現在の会社に入社後、設立初期より営業部を統括、本部長を務める。以降融資担当部長、流通事業部では仕入れ先開拓業務に従事、後に管理業務部等を歴任。

現在は自社セミナーを始め、様々な会社との協賛セミナーの講師を務めながら、常に世に発信する立場で不動産業に従事している。

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