┃期間短縮と返済額圧縮
前回にご説明させていただきましたが、繰り上げ返済には二通りの方法があります。
一つは期間短縮。
月々の返済額を変えずに返済期間を詰める繰上返済の方法です。
もう一つは返済額圧縮。
返済期間は変えずに月々の返済額を下げる方法です。
ほとんどの金融機関がこの二通りから返済方法を選択できます。
ここでは、この二通りの繰り上げ返済の効果を検証したいと思います。
まず融資条件ですが、
融資金額2,500万円
借入金利2%
返済年数35年として試算します。
取れる家賃収入は年間100万円、実質利回り4%の想定です。
繰り上げ返済をしない場合35年間の利払総額は9,782,404円です。
100万円繰り上げ返済すると
期間は420回の返済が397回に
金利は936,185円少なくなります。
更に約2年返済が早くなるので、その後に2年分の家賃収入を考えると2,936,185円の違いがある事になりますが、資金を100万円投下しているので実質は1,936,185円の違いとなります。
返済圧縮の場合
返済額が82,815円から79,435円に下がります。
差額は3,380円です。
残存期間で考えると返済額は1,379,040円の差があります。
ローン金利は379,024円の差額になります。
しかし、月々の返済が下がった分家賃収入が余る可能性があります。
そう考えると繰り上げ返済の効果は1,758,064円となりますが、100万円投じているので実質は758,064円の効果がある事になります。
しかし家賃が余っている分、途中途中で余計に繰り上げ返済ができる可能性があるため、見たままの効果と考えることはできません。
最終的な効果は期間圧縮と総支払金利は大きくは変わらないはずです。
期間圧縮により返済期間が圧縮され、200万円近くの収益の違いがあるのであれば、家賃収入の2年分の違いがある訳ですから、基本的に繰り上げ返済はした方が得をします。
┃金利が高いほど効果大、早めの繰上げが効果的!
このケースよりも金利が高いのであれば効果はもっと高くなります。
なおかつ繰り上げ返済は同じ100万円を繰り上げしても、タイミングが早いほど得をします。遅くなればその分効果は下がってしまうのです。
期間短縮の場合は投じた資金により期間は圧縮されますが、返済額が下がらない以上はキャッシュフローを生まない為、完済されるまで投じた資金を回収できません。
しかし、返済額圧縮であれば、返済が下がった分家賃収入が返済をしても余ることがあるので、投じた資金を回収しながら運用できます。
多少でも金利の支払いが少なくなるのは期間圧縮ですが、運用の方針と好みなどで返済の仕方は変わってくるという事です。
┃返済期間の残存期間が短い場合の効果は薄い
返済期間がほとんど残っていない場合で計算してみます。
同じ金額、100万円を30年後、もう5年しか残存期間がなくなってから繰り上げ返済すると、金利差は93,863円しか違いを生みません。
期間は13回縮まります。
家賃収入が1年分早く取れる事にはなりますが、資金を投じている以上実質的にはほとんど変わりません。
ここまで来てしまうと繰り上げ返済はしてもしなくてもほとんど変わらなくなってしまいます。
あくまでもある程度の融資期間が残っている際に大きな差になるということですね。
繰り上げ返済のイメージの際に参考にして頂ければと思います。
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