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マンションのリノベーションを検討している人がもっとも気になるのは、費用の問題でしょう。リノベーションの工事範囲は広く、用途によってもかなり異なってきます。この記事では、リノベーションとリフォームは何が違うのか、といったリノベーションの定義について改めて確認するとともに、リノベーションと大きな関わりがある「スケルトン」についての解説、そしてリノベーションの費用を抑えるための様々な秘訣についてお伝えしていきます。
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目次
そもそも「リノベーション」とは何でしょうか。リノベーションとは、既存の建物を大規模に改修することで、物件の価値を上げるために行います。リノベーションと混同されやすい言葉に「リフォーム」があります。リフォームは、老朽化した家を新築と同じ状態に戻したり、家の中で壊れた部分を直したりと、元の状態に戻すことを目的としています。リフォーム工事の具体例としては、壊れているお風呂を新しいものに変えたり、汚れた壁紙を新しいものに変更したりといったものになります。一方のリノベーションは、英語で「革新・刷新」の意味を持っています。言葉の通り、リノベーションは建物の機能を向上させるために設備や間取り、素材を一新し、改修前よりも性能や価値を高めることが目的となります。このためリノベーションの工事は、例えばファミリー向けの物件を単身者向けに適した物件に刷新するために、壁を取り払ったり、間取りや機能の変更を行うなど、大規模で大きな変化を物件にもたらすものになります。
リノベーションにはどれほどの費用がかかるのでしょうか。実は、リノベーションの費用の相場は施工箇所・面積によって大きく変わるため、坪単価でいくらといったように一概にはいえません。費用に大きく影響する要素としては、まず広さが挙げられます。リノベーションする面積が広くなればなるほど、費用は高くなります。また間取りの変更があるかないかも大きなポイントです。マンションでのリノベーションの場合、部屋の階数によっては資材の運搬などで費用が上がる可能性もあります。
リノベーションにかかる費用の内訳についてみていきましょう。基本工事費としては、既存設備や内装の撤去と処分、給排水設備、電気配線工事などの費用が挙げられます。これらの基本的な工事は、リノベーション内容によって大きく異なります。
リノベーションにおける主な資材費用は、キッチンやバス、洗面器といった住宅設備の工事の費用と、床材・建具の費用が挙げられます。
リノベーション設計費に関しては、一般的に総工事費の10%が目安となります。あくまで目安ですので、依頼するリノベーション会社に事前にしっかりと確認をとりましょう。
その他費用としては、書類の作成費用といった雑費が計上されます。このようにリノベーションは各種様々な費用がかかるため、費用全体の管理が大変です。しかし費用を抑えるためには、リノベーション会社任せにせずに一つ一つの費用について確認しておくことが大切です。
リノベーションの際、スケルトンの状態にするケースがあります。スケルトンとは骨組みという意味で、リノベーションにおけるスケルトンとは、一旦骨組みの状態にまで戻してから、内装や設備を丸ごとリフォームすることを意味します。フルリフォーム、スケルトンリフォームも同じ意味で使われています。スケルトンの利点は、間取りから設備まで自由に変更可能となる点です。
スケルトンの場合の費用の目安は、1平方メートルあたり10万円からです。希望の条件やこだわりたい部分が多いほど、金額が上がってきます。間取りも全て変更する場合は、かなりの費用がかかると考えて良いでしょう。
リノベーション会社に見積もりを依頼する際は、何よりも最初に予算をしっかりと伝えることが肝心です。リノベーションは、希望によってはかなりの費用が求められます。場合によっては、概算見積もりを大幅にオーバーしてしまう可能性もあります。はじめに最低限の予算を決めておくことによって、想定外の大幅な出費を抑えることができます。概算見積もりについて、よく理解できていない項目があれば、その都度遠慮なく担当者に質問して分からないままにしないようにしましょう。
次に大切なのが、物件をどんな内装・構造にしたいかを明確にすることです。住みやすい家にして欲しい、きれいな家にして欲しいといった漠然としたイメージでは、どのような工事をすべきかが明確にはなりません。例えば、リビングに木材を使って、天井はコンクリートの打ちっぱなしにしたい、あるいはネットのリノベーション事例を基にこういうふうにしたいなど、具体的な希望を伝えましょう。希望するリノベーションの内容が、予算内では収まりきれない場合、費用を抑える対策が必要です。次項からはリノベーションの費用を抑えるための具体的なやり方についてお伝えします。
リノベーション費用を安く抑えるために、複数の業者に見積もりをとりましょう。2~3社程度で良いので、複数の会社の見積もりを見比べると大体の相場が分かります。ただし、相場に比べて見積もり金額があまりに安すぎる会社については注意が必要です。見積もり金額が相場と大きくかけ離れている場合は、希望する工事内容がきちんと伝えられているかについて確認するととともに、信頼できる会社なのか会社の実績・評判について調べましょう。
リノベーション費用を安く抑えるためには、グレードを下げても良い設備や素材を決めておくことも大切です。なぜなら概算見積もりがオーバーすることはよくあるので、この点を考慮に入れておく必要があるためです。設備・素材に関する自分の希望の条件の中で優先順位をつけておきましょう。代替の手段に切り替えることで安く抑えることができます。
概算見積もりで予算を超過している分を設備・素材の質を下げて調整することにより、予算内で抑えることができ、完成度も高いものになります。
*理由
∟見積もりをもらった後に会社確認する
∟追加で費用が発生する可能性がある箇所
見積もりをもらった際に注意すべき点は、追加の料金が発生する可能性があるかを確認することです。後になって追加料金がかかり予算オーバーになると工事に支障をきたし、最悪の場合はストップしてしまう可能性もあります。リノベーション会社から見積もりをもらったら、追加で費用が発生する可能性がある箇所についてしっかりと確認しておきましょう。
リノベーションにはリフォームローンが利用できます。リフォームローンの種類は、大きく「有担保型リフォームローン」と「無担保型リフォームローン」に分けられます。有担保型リフォームローンは、リノベーション物件を担保として借入を行うローンで、最大35年の長期ローンを組むことができます。借入金額が大きくなるほど審査は厳しくなるのが難点ですが、特に大きな金額を借入る場合はおすすめのローンといえます。無担保型リフォームローンは、担保不要で借入ができるのが特徴です。借入金額も大きくないので、審査も通りやすく、小~中規模のリノベーションでの利用がおすすめです。ただし返済期間が短くなるため、金利は高めになる点は抑えておきましょう。いずれのリフォームローンを利用するにしても、借入する前に詳細な返済計画を立てておくことが大切です。
家屋の老朽化、家族構成の変化、あるいは収益物件の集客力を上げるためなど、リノベーションの目的は様々です。どんな目的にせよ、リノベーションを成功させるためには、明確なイメージと、詳細な工事プランの2つの準備が必要です。元の状態へ戻すことを目的としているリフォームと異なり、リノベーションは自分が実現したい理想の状態に物件を作り変える作業です。そのためリノベーションは「どのような物件に変化させたいか」という明確なイメージがなければ成功しません。イメージだけではなく、予算はどのくらいで、どんな設備を設置するのか素材は何を使うのかといった入念な計画を立てる必要もあります。リノベーションを行う際は、今回ご紹介した相見積もりや設備・素材の選定、ローンの選定など様々な予算を抑える方法を活用して頂ければ幸いです。
J.P.Returns株式会社
執行役員 コンサルティング3部 本部長
J.P.RETURNS執行役員。
J.P.RETURNSに入社後、設立初期より営業部を統括、本部長を務める。以降融資担当部長、流通事業部では仕入れ先開拓業務に従事、後に管理業務部等を歴任。数百戸の投資用区分マンションを販売、自身でも6件の不動産を所有、運用している。現在は自社セミナーを始め、様々な会社との協賛セミナーの講師を務めながら、常に世に発信する立場で不動産業に従事している。
【書籍】
日本で最も利回りの低い不動産を持て!
マンション投資2.0
【ブログ】
室田雄飛のモグモグ不動産投資ブログ
大学在学中に家庭教師のアルバイトをきっかけにデイトレーダーへ転身。24歳で資産運用法人を設立する。25歳から大手投資用マンションディベロッパーと業務提携後、およそ6年間にわたり資産運用アドバイザーとして活躍。その後、大手不動産仕入れ会社で販売統括責任者として従来の投資用物件の流通システムを革新するプロジェクトを立ち上げる。国内最大規模の投資イベント「資産運用EXPO」で登壇実績があり、同業他社からも多くの見学者が立ち見の列を作った。2020年にJ.P.RETURNSに参画。オンラインでの商談やWEBセミナーを導入し、コロナ禍でも年間300件以上の顧客相談を担当している。
【保有資格】
宅地建物取引士、ファイナンシャル・プランナー(AFP)