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投資戦略を大きく分けると、「短期投資」と「長期投資」の2種類となります。どうしても短期間で大金持ちになった人が目立つものですが、初心者であれば無理のない長期投資で資産形成を目指す方がおすすめです。
今回は、長期投資のメリットと注意点、そして長期投資に向いている不動産投資についてご説明します。投資にギャンブル的なイメージしか持っていない人も、ぜひ長期投資について理解していただき、少しずつ行動に移してみてください。
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目次
長期投資は、ある資産を購入したら短期間で売却せずに所有し続けるという投資スタイルです。短期的にバイバイを繰り返すスタイルと比較して、どんなメリットがあるのでしょうか。長期投資のメリットを3点お伝えします。
最大のメリットは、長い時間をかけてじっくり資産を増やせるところです。もちろん、一時的に購入した金融商品や不動産の価格が下がって含み損となることもありますが、数年単位で見れば価格が上がることが多くなります。長期投資であればリスクを分散できるため、安定的な利益を出しやすくなると考えられます。
長期投資による安定的なリターンは、複利効果によってもたらされます。複利とは、元本に金利や利益を加えて、次の期間にはその合計額を新たな元本にする仕組みです。仮に元本10,000円で金利が年率5%だとすると、1年目は10,500円(10,000×1.05)となり、2年目は11,025円(10,500×1.05)となります。
複利によって、年を重ねるたびに元本が大きく成長していきます。上の例で言うと、年率5%を20年続けると26,533円となり、2倍以上の元本となるわけです。複利の存在こそが、長期投資の強みに直結しています。
長期投資なら長期的に資産を増やせればよいので、余裕を持って日々を過ごせます。どうしても短期投資だと、毎日データや情報を自分なりに分析して意志決定していく必要が出てきます。仕事をしていても株価チャートが気になってしまい、業務に集中できません。
長期投資であれば日々の値動きに気を配らなくてよいため、時間的にも精神的にもゆとりが出ます。分析に費やす時間を仕事やプライベートに費やせますから、日々の充実感が高まります。
メリットの多い長期投資ですが、利益を安定的に出すためには注意すべき点もいくつかあります。これからご説明する点を頭に入れて資産運用に臨むようにしましょう。
長期投資だからと言って、何が何でも長期保有し続ければうまくいくわけではありません。所有していてリスクがある場合には、早めに損切りを行う必要があります。
長期的に保有していると、インフレや不景気などの影響を受けて資産価値が下がってしまうことがあります。こうしたときに我慢して持ち続けるのも投資戦略として考えられますが、実際のところ大きく値を下げた状態で我慢するのは簡単なことではありません。精神的にも負担がありますし、そもそも一旦下がった価格が元に戻る保証はありません。50%下がった状態から元に戻るには、100%も値上がりする必要があります。
こう考えると、「損切りライン」を設定する方がよいでしょう。このラインを下回ったら早めに売却するようにし、大きな損失を抱えないようにするわけです。毎日値動きを見る必要はないとはいえ、物価や経済状況に関する情報には目配りし、気づかないうちに大損失を被らないよう注意すべきです。
あくまで投資に振り向けるのは余剰資金のみとし、生活用の資金にまで手を付けないようにしましょう。
余剰資金とは、読んで字のごとく「余ったお金」です。自分の貯金の大部分を投資してしまうと、生活が苦しくなったときや急に現金が必要になったときに困る恐れもあります。現在の貯金から、当面の生活に使うお金と近い将来に使うお金(結婚、出産、教育費、住宅など)を差し引いて、余ったお金だけで投資するのがおすすめです。
「お金が必要になったら、投資した資産を売却すればよい」と考える人もいるかもしれません。確かに株式や債券、投資信託などの金融商品は簡単に現金化できるものの、その際に手数料などのコストがかかる場合もあり、お得とは言えません。やはり最初から過度な投資をしないよう、投資に使える余剰資金の額を明確にするのがよいでしょう。
残念ながら、長期投資をしたところですぐに利益が出るわけではありません。長期投資では、短期的な値動きに影響されず資産を持ち続ける投資戦略です。景気後退期に長期投資を始めた場合は、数年単位で利益が出ないことすらあります。
長期投資は投資戦略の一つであり、短期で大きな利益を得たい投資家には向いていません。むしろすぐに利益を出そうとして売買を繰り返していると、取引に付随する手数料や税金の分だけ損をする可能性が高いのです。
「長期投資する」と決めたら、前述のようにある程度の損切りラインを設定した後は腹をくくって資産を持ち続ける覚悟が求められます。
どんな金融商品であろうと長期投資は可能ですが、中でもおすすめなのが不動産投資です。不動産投資とはどういった投資なのか、なぜ長期投資に向くのかご説明します。
不動産投資は、不動産を購入して運用し、利益を得ることを目的とした資産運用です。アパートやマンションのような住宅施設を購入して賃貸に出し、家賃収入を得るのが一般的です。また物件の価値が上がった時点で売却すれば、購入額と売却額の差額で利益を得られます。
当然ながら一朝一夕で家賃収入が集まることはありませんし、不動産の価値がすぐに大きく動くこともほとんどありません。そのため長期投資には、不動産投資、特に家賃収入目的の不動産投資がおすすめです。
不動産投資にはメリットとデメリットの両面があることを理解しておきましょう。特にデメリットを深く理解し、あらかじめ打てる対策を打っておくことが重要です。
最大のメリットは、自己資金の少ない投資初心者でも始めやすい点です。不動産投資ローンが各金融機関で整備されていますので、そうしたローンを活用すれば物件を購入できます。特に信用度の高い会社員は有利と言えます。
家賃収入によって長期的に安定した収入を得られるのも、不動産投資のメリットです。確かに他の金融商品でも配当金や利金、分配金という名の収入はありますが、金額的に不動産投資より大きくなることは少ないです。入居者がいる限り毎月家賃収入を期待できるので、経済的な安定感が増します。
また不動産は、インフレに強いとされています。インフレに応じて土地や建物の価値は上がりますし、家賃もインフレに合わせて変更できるケースが多いです。そのためインフレのような経済変動があっても、不動産投資なら安心して長期投資できるわけです。資産として残しておき、いざとなれば現金化すればよいので、いざというときのための保険代わりにもなります。
不動産投資のデメリットは、やはり空室リスクです。物件に入居者がいなければ、家賃収入は得られません。不動産投資をするうえでは、空室対策が必須となります。周辺環境やニーズの見極め、宣伝方法などをあらかじめ考えておくのがよいでしょう。
空室率を下げるには周辺環境がよくて住みやすい建物設備を持つ優良物件を狙うのがよいのですが、残念ながらそうした優良物件は簡単には手に入りません。初心者がインターネットで検索するだけでは、安定的な家賃収入がある物件が手に入りにくいというのもデメリットでしょう。インターネットだけではなく、書籍や雑誌、不動産会社の主催するセミナーなどで勉強する必要があります。
不動産投資に限らず、長期投資のキーワードは「複利」です。お金がお金を生み、資産が雪だるま式に増えていくのが理想となります。
この点、不動産投資は複利を得やすいと言えます。ある物件から家賃収入を得て、その利益を元手に新しい不動産を購入して運用し、さらに家賃収入を得るという好循環が生まれやすいからです。複数の物件を所有できれば、もちろん収益の上がる可能性もその金額も期待できます。
ただし、所有する物件が増えれば管理や事務も煩雑になります。不動産の管理を不動産会社に委託すると、負担の軽減につながります。特に初心者は、「自分で何でもやろう」と考えず作業を外注するのがおすすめです。
「投資」というと、株式のデイトレードのように一瞬の価格の動きを見定めて資産の売り買いを繰り返すイメージを持つ人が少なくありません。しかし、それは投資戦略の一種に過ぎず、一般的には長期投資でゆっくり資産を増やすのがおすすめとなります。
特に不動産投資は、その特徴からして長期投資向きと言えます。少しでも興味があれば、インターネット検索だけでなく不動産会社のセミナーに参加して生の情報に触れてみてはいかがでしょうか。
J.P.Returns株式会社
執行役員 コンサルティング3部 本部長
J.P.RETURNS執行役員。
J.P.RETURNSに入社後、設立初期より営業部を統括、本部長を務める。以降融資担当部長、流通事業部では仕入れ先開拓業務に従事、後に管理業務部等を歴任。数百戸の投資用区分マンションを販売、自身でも6件の不動産を所有、運用している。現在は自社セミナーを始め、様々な会社との協賛セミナーの講師を務めながら、常に世に発信する立場で不動産業に従事している。
【書籍】
日本で最も利回りの低い不動産を持て!
マンション投資2.0
【ブログ】
室田雄飛のモグモグ不動産投資ブログ
大学在学中に家庭教師のアルバイトをきっかけにデイトレーダーへ転身。24歳で資産運用法人を設立する。25歳から大手投資用マンションディベロッパーと業務提携後、およそ6年間にわたり資産運用アドバイザーとして活躍。その後、大手不動産仕入れ会社で販売統括責任者として従来の投資用物件の流通システムを革新するプロジェクトを立ち上げる。国内最大規模の投資イベント「資産運用EXPO」で登壇実績があり、同業他社からも多くの見学者が立ち見の列を作った。2020年にJ.P.RETURNSに参画。オンラインでの商談やWEBセミナーを導入し、コロナ禍でも年間300件以上の顧客相談を担当している。
【保有資格】
宅地建物取引士、ファイナンシャル・プランナー(AFP)