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「副業解禁」が叫ばれるようになりました。これまで多くの会社では副業収入を得ることを禁止してきたのですが、2018年1月より政府の「働き方改革」の一環として副業を解禁する、あるいはルールを緩める流れが生まれつつあります。大企業の中でも、副業解禁を正式に決定したところも出てきています。
しかし、本業だけでも平日のほとんどを使っているのに、さらに別の仕事をするのは簡単ではありません。そこで検討したいのが、不動産の運用です。一度不動産を購入して賃貸に出してしまえば、家賃収入が定期的に入ってきます。管理や税金の処理も、管理会社や税理士などの専門家に任せられます。時間をたくさん取れないサラリーマンでも、十分に不動産運用を始められるのです。
そこで今回は、サラリーマンでもできる副業・資産形成方法として不動産運用に着目し、そのメリットや考え方についてご説明します。
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目次
そもそも不動産を運用するとは、どういうことなのでしょうか。そのメリットも含めて、基本的な部分をご説明します。
「運用」とは、上手く使うことです。つまり不動産運用は、不動産を上手く使ってお金を生み出し、収入を得る行為と言えます。多くの場合は自己資金プラスローンを借り入れてワンルームマンション、ファミリータイプのマンションやアパートなどの不動産を購入し、不動産所得を得ることになります。
「収入を得る」と言っても、その方法は主に2種類に分けられます。1つ目は、売却益(キャピタルゲイン)を目指す運用です。不動産を購入してリフォームや修繕を行い、価値が上昇したタイミングで売却します。購入価格に必要経費を加えた金額より、売却価格が高ければ利益を得られることになります。不動産の価値が上がるかどうかギャンブル的な要素も入ってくるものの、想定通りにことが進めばまとまったお金を一気に受け取れます。
もう1つは、家賃収入(インカムゲイン)を目指す運用です。所有する不動産の部屋について入居者と賃貸借契約を結び、家賃収入を得ます。何百万円も一気に儲かることはないものの、長期にわたって安定した収益を産んでくれる可能性があります。入居者の途切れないような物件選びさえできれば、仮に会社勤めを辞めたとしても生活費に困らないほどの収入を将来的に期待できるかもしれません。
不動産運用のメリットは、主に4つあります。まず、比較的高い利回りを期待できることです。金融機関にお金を預けても、ほとんど増やすことを期待できません。たとえば、メガバンクの普通預金金利は0.001%、定期預金金利でも0.010%にしか過ぎません。これでは、100万円を定期預金口座に預けても1年で100円しか増えない計算です(税引き前)。不動産運用であれば、物件によっては10%を超えるような利回りを実現できるケースもあります。
また株や外貨預金、FXなどの金融商品と比べても、それほど急激な値下がりリスクは少ないです。株式投資ですと、ネガティブな決算発表や不祥事を機に数日で数十%もの株価暴落を引き起こすケースはざらにあります。FXも、「ブレグジットショック」や「スイスショック」など政治・経済・外交の問題によって投資家に大打撃を与えるケースがあります。それに比べると、不動産の価値がそこまで急変することはあまりありません。
場合によっては、私的年金や生命保険のような効果を自分や家族にもたらすことがあります。会社を退職しても毎月の家賃収入は発生しますので、老後の公的年金に収入を一つプラスすることができます。仮に自分が死んでしまっても、収益物件を家族に相続できれば金銭面で安心です。不動産運用は、経済的な安心感を人生にもたらしてくれるわけです。
このとき、相続税の節税効果も期待できます。実は現金よりも課税対象となる評価額が目減りするのが、不動産の特徴です。現金1億円を持っているより、その1億円で不動産を買って相続した方がはるかに節税となります。
以上のように、不動産運用を続けていると収入・節税・資産分散などの面でメリットが期待できるのです。
不動産運用が常に成功するわけではありません。特に物件選びやパートナー選びに失敗すると、購入価格が大きいだけに大打撃となりかねません。ここでは、失敗のリスクを少しでも下げるためのポイントをいくつかご紹介します。
利回りとは、投資金額に対するリターン(利益)の割合のことです。利回りが10%であるとき、投資額の10%の利益が期待できることを意味します。10年で投資分を回収できる計算です。このように、利回りの高い投資物件ですと生み出す利益も大きいと考えられます。
ちなみに、利回りには「表面利回り」と「実質利回り」の2種類があります。表面利回りとは、単純に年間の家賃収入を物件価格で割った数字です。物件価格が5,000万円で家賃収入が500万円なら、利回り10%となります。
この場合は、税金や手数料などの諸経費を考慮していません。そのため実際に運用した場合の利回りとは大きく異なる可能性が高いです。そこで、こうした諸経費を家賃収入から差し引いて計算するのが実質利回りです。諸経費には、管理費や修繕積立金、手数料から固定資産税、都市計画税、そしてローン返済分などが挙げられます。
実質利回りを計算することで、利益率は実態に近いものになります。どれくらい手元に残るのか分かるので、投資判断も下しやすくなります。表面利回りと実質利回りを比較して、投資額に見合った利益が得られるか確認することが重要です。
利回りだけを見ていると、実際に運用したときに空室が多くて行き詰まるというリスクがあります。そのため、特に入居者のいる中古物件を購入する場合は、利回りだけでなく稼働率の高さを見なければなりません。
ここで言う稼働率とは、賃貸可能な部屋数に対する賃貸中の部屋数の割合です。賃貸率が低いということは、イコール空室が多くて購入直後の賃料収入が少ないことを意味します。計算上の利回りが高くても、入居者がいなければ困ってしまいます。
稼働率の高い、イコール空室率の低い東京都心など、エリアの選定も重要となります。
不動産運用では、するべきことがたくさんあります。また不動産や投資、経営、税務、法務などに関する豊富な知識と経験が求められます。特に会社勤めの人の場合、自分だけですべての作業をこなすのはほとんど不可能でしょう。そこで、信頼できるパートナー選びがきわめて重要なのです。
まず、相談に向かうべきは、不動産運用の専門家である不動産会社でしょう。懇意になると、インターネットや雑誌などのオープンな場には出回っていないような優良物件を優先的に紹介してもらえる可能性があります。
もちろん、自分でも勉強する必要もあります。書籍やインターネットで調べ、多くの物件情報を見て良い物件を見極める目を養いましょう。また不動産会社の開催するセミナーへ参加し、不動産の活用法や現在のトレンドなどを教えてもらうとよいでしょう。インターネット記事や書籍とは比べものにならないほど、濃い情報を得られます。
不動産運用が一筋縄で成功できるものでないのは確かですが、それでも知識を身に付けてチャレンジする価値はあります。うまくいけば、安定的な収入の柱を会社からの給料以外にもう一つ作れたことになります。この事実がもたらす安心感は、代えがたいものがあるはずです。まずは、自分が実際に不動産運用にチャレンジできそうか、セミナーに参加して確かめてみましょう。
J.P.Returns株式会社
執行役員 コンサルティング3部 本部長
J.P.RETURNS執行役員。
J.P.RETURNSに入社後、設立初期より営業部を統括、本部長を務める。以降融資担当部長、流通事業部では仕入れ先開拓業務に従事、後に管理業務部等を歴任。数百戸の投資用区分マンションを販売、自身でも6件の不動産を所有、運用している。現在は自社セミナーを始め、様々な会社との協賛セミナーの講師を務めながら、常に世に発信する立場で不動産業に従事している。
【書籍】
日本で最も利回りの低い不動産を持て!
マンション投資2.0
【ブログ】
室田雄飛のモグモグ不動産投資ブログ
新卒で入社した大手投資用マンションディベロッパーで、歴代最高売上を記録。その後、財閥系不動産会社で、投資物件のみならず相続案件、法人の事業用物件、マイホームの購入や売却といった様々な案件を経験。 2018年にJ.P.RETURNSの新規事業部立ち上げに参画。また、セミナー講師として、延べ100回以上の登壇実績を持ち、年間300件以上の顧客相談を担当している。
【保有資格】
宅地建物取引士、ファイナンシャル・プランナー(AFP)