不動産投資における成功とは
不動産投資における成功の明確な基準はありません。そのため、不動産投資の成功率の公式な統計データはないです。
一般的には、不動産投資で購入時よりも不動産に関わるトータルの資産額が増えていれば、成功といえます。逆に失敗を定義するなら、物件を売却する際にトータルの収支が赤字になっている状態です。仮に毎月のキャッシュフローが赤字であっても、物件価格が維持されている、あるいは値上がりして、売却したら利益になる、含み益の状態が続いていれば、それは成功しているといえます。
これから紹介する3つの成功事例のパターンを理解すると、より成功の解像度を上げられるので参考にしてみてください。
不動産投資3つの成功事例
不動産投資における代表的な成功事例を3つ紹介します。
・中古マンションが購入時より値上りし、キャピタルゲインを得られた
・投資用ローンを全額返済し、利益を安定的に得られる
・損益通算を利用して節税できた
不動産投資における成功をどこにおくかは、投資する人の目的により異なります。自分が不動産投資をする目的に当てはまる成功事例がどのような内容なのか、確認しながら読んでみてください。
中古マンションが購入時より値上りし、キャピタルゲインを得られた
中古マンションが購入時より値上がりし、大きなキャピタルゲイン(売却益)を得られるのは、不動産投資の成功例の一つです。
キャピタルゲインとは、保有資産の売却時に得られる売却差益をいいます。マンションの売却金額が購入金額を上回れば、キャピタルゲインの獲得が可能です。
都心部や高級住宅地に立地する中古マンションの中には、価格が年々上昇しているものもあります。東日本不動産流通機構の「首都圏不動産流通市場の動向」(2023年)によると、首都圏の中古マンション成約平方メートル単価は、2013年から2023年まで10年連続で上昇したとなっています。そして、2013年の成約平方メートル単価が39.96万円なのに対し、2023年の成約平方メートル単価は71.90万円です。つまり、10年間で首都圏の中古マンション価格が約1.8倍になっていることが分かります。
値上りしている地域のマンションを購入し、大きなキャピタルゲインを得られれば不動産投資は成功したといえます。仮に購入時より少し値下がりしていても、入居者の家賃収入を原資に返済がほとんど終わっていれば、大きな現金を手に入れられるので、それもまた成功と呼べるでしょう。
参考:東日本不動産流通機構「首都圏不動産流通市場の動向(2023年)」
投資用ローンを全額返済し、大きな利益を安定的に得られる
投資用ローンを全額返済した後も、利益を安定的に得られる状態もまさに不動産投資における成功です。
不動産投資は投資用ローンを利用し、自己資金では購入できないような高額な不動産の購入が可能です。ローンを返済しているときには、高額な不動産から得られる家賃収入から返済額が差し引かれているので、あまり手元にはお金が残らないかもしれません。しかし、ローン返済が終われば、毎月、家賃収入のほとんどが手元に入ってきます。また売却すれば、まとまったお金を手に入れられ、成功の形の一つといえるでしょう。
損益通算を利用し節税できた
減価償却費の計上によって不動産所得を赤字にし、損益通算で所得を大きく圧縮できるのも不動産投資の成功パターンの一つといえます。
不動産投資で会計上赤字になっても、損益通算を利用すれば所得税や住民税の節税が可能です。
不動産投資における損益通算とは、不動産投資の運用で発生した赤字を、給与所得や事業所得など他の所得の黒字から差し引いて所得を圧縮することです。給与所得などの黒字を減らせれば、課税される所得税額も減ります。
減価償却を利用すれば、毎月のキャッシュフロー上で黒字を出したまま、会計上の赤字によって節税できるケースもあります。
減価償却とは、建物の資産価値を法律に基づいた年数で割り、算出された価値を1年ごとに経費として計上できる税制です。通常、経費を計上できるのは実際に支払った費用だけですが、減価償却は支出なしで計上できます。
そのため、現金が減らすことなく、経費計上でき、所得を圧縮できるのです。損益通算で節税できる仕組みは以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
不動産所得の損益通算とは?節税になる仕組みを徹底解説
不動産投資初心者が陥りやすい失敗事例
不動産投資には多くの成功事例がある一方、物件選びを間違えるなど、スタートに躓いてしまうと失敗してしまうケースもあります。特に初心者が陥りやすい失敗事例は、次のとおりです。
・投資計画が甘く都合の良い予測を立ててしまった
・表面利回りだけで不動産を購入してしまった
・不動産会社の担当者の言葉を鵜呑みにしてしまった
初心者が陥りやすい失敗事例を理解することで、リスクを抑えた運用ができるようになるでしょう。
投資計画が甘く都合の良い予測を立ててしまった
不動産投資初心者が陥りがちな失敗例として、都合の良い投資計画を立ててしまい損失を出してしまうケースがあります。
例えば、「駅から近いマンションだから空室になりにくい」と考えて、マンションを購入したとします。しかし、近隣に競合マンションが多かったため、空室の期間が想定より長く続いてしまったというケースもあるのです。
これはマンションの周辺環境を詳しく確認しておらず、駅からの距離しか注目していなかったことによって生じた失敗です。周辺の状況を把握し、マンションの供給数と需要の強さを確かめておけば、回避できたはずであり、リサーチ不足が露呈した形といえます。
不動産投資は事前準備によって、ある程度事前にリスク回避が可能なので、綿密な投資計画を立てて実行すれば、多くの失敗を避けられます。
表面利回りだけで不動産を購入してしまった
不動産投資初心者は、表面利回りの良いマンションなら必ずうまくいくと信じている傾向があります。
表面利回りは大まかな収益力の指標としては良いものの、購入を検討する段階では、諸経費等も含めた実質利回りで考えるべきです。なぜ表面利回りだけで物件を購入すると危険なのかは、表面利回りの計算式を見れば分かります。
表面利回り = 年間の家賃収入 ÷ 物件価格 × 100
表面利回りの計算式には、ランニングコストや購入に必要な諸経費等が加味されておらず、実態と離れた数字になってしまっています。
また中には10%以上の表面利回りの物件もありますが、実際は不便な場所にあって高い入居率を見込めないにも関わらず、入居率100%を前提に計算している場合も珍しくありません。そのため、表面利回りだけを見て判断するのではなく、実際の入居率や発生する諸費用も加味して判断するのが賢明です。
家賃下落や空室期間の長期化などもシミュレーションに組み込んで検証しておくと、安心です。
不動産会社の担当者の言葉を鵜呑みにしてしまった
不動産投資初心者は、知識がないために不動産会社の担当者の言葉を全て鵜呑みにして失敗することが多々あります。
不動産会社の担当者は親身になってくれる人も多い一方、会社の売りたい物件を勧めてくる人もいます。あまり知識がない人に対して、メリットを強調し、デメリットを正確に伝えてくれない場合もあるでしょう。
信頼できる不動産会社を選ぶのも大事ですが、自分自身でも勉強しながら、任せきりにせず、分からないことは分かるまで聞くのが大切です。そこではぐらかされたり、違う話をしたりするようであれば、違う不動産会社への依頼も検討した方がいいかもしれません。
勧められた物件自体も自分自身で調べて、メリット・デメリットや収支シミュレーション全てを理解するくらいの心持ちでいると、失敗する確率を大幅に減らせます。
不動産投資で失敗しないために大事なポイント
実際の成功や失敗の事例を知ると、自分が行う不動産投資に当てはまっているかを判断できるようになるでしょう。不動産投資での失敗は、儲からなかっただけにとどまらず、借金だけが残るなど、物件の規模によっては取り返しのつかない事態になる可能性もあります。
不動産投資で失敗しないためには、以下の6つのポイントを知っておくのが大切です。
・購入するタイミングを逃さない
・中古の不動産を購入する
・立地をしっかりと選ぶ
・現実的な投資計画を立てる
・不動産投資の基礎知識を学ぶ
・信頼できる不動産投資会社を選ぶ
それぞれ詳しく解説していきます。
購入するタイミングを逃さない
購入する物件は、いつとして同じ物件は存在しません。同じマンションであっても、階数や方角などさまざまな条件が異なります。そのため、勉強をしたり、その物件を調べたりするなど、慎重な姿勢は大事ですが、いざというときは決断力が求められます。特に長期的に利益が見込める物件は、他の投資家からの注目も高いため、悩んでいる間に他の投資家に購入されてしまう可能性も高いでしょう。
優良物件が購入できるタイミングを逃さないように、金融機関の融資審査や自分が譲れないポイントなどを事前に確認して、すぐに決断できるようにしておくのがおすすめです。
中古物件を購入する
新築マンションではなく、中古マンションを選ぶのも不動産投資での失敗の確率を減らす1つの要素です。
新築マンションは購入金額が高くなるためにローン返済負担が大きくなり、キャッシュフローが出にくい傾向にあるほか、減価償却費が少なくなるので節税しにくいなどのデメリットがあります。
また、価格の落差が大きいのも新築マンションの特徴です。物件価格の下落は中古の方が緩やかなため、万が一途中で売却する場合も、手元にお金が残りやすいです。確実に勝算がある場合を除いて、中古マンションを選んでおきましょう。
もちろん、中古マンションにもデメリットはあるので、さまざまな条件を吟味して最終判断をしてください。
立地をしっかりと選ぶ
不動産の立地を厳選すれば、不動産投資で失敗する確率を大幅に下げられます。
具体的には、入居者が多い地域かどうか、不動産が値上がりしそうかどうかは立地によって異なります。立地が良ければ賃貸需要が高いので、空室リスク、流動性リスクを抑えることが可能です。
人口が増加している人気エリアの駅に近い立地であると、よっぽど割高な価格で購入しない限り、失敗しないでしょう。人気エリアは、交通のアクセスが良い、治安が良い、災害リスクが低いなどの良い要素が複合しているため、長期的に高い賃貸ニーズが期待できます。
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現実的な投資計画を立てる
不動産投資で失敗を避けるには、さまざまなリスクを考慮した投資計画が大切です。
不動産投資にはリスク回避の方法が多くあるものの、完全にリスクをゼロにはできません。そのため、不動産投資計画を立てるときには、リスク対策と同時に、万が一の対処法も考えておきましょう。
例えば、空室リスク対策を講じていても、余剰資金を保有しておくなどです。そうすれば、万が一空室になって家賃収入が途絶えても、余剰資金を取り崩すことで資金ショートを防げます。このように、二重で対策を講じるぐらいの慎重さを持って計画を立てると、想定外に直面しても、安定した賃貸経営ができるでしょう。
ほかにも、家賃の下落による収入減や金利上昇による返済額増も、考慮して計画を立てておくと、万が一の際でも安心して対処できるので、失敗する確率をさらに引き下げられます。
不動産投資の基礎知識を学ぶ
不動産投資の正しい知識を学ぶと、失敗例で取り上げられるような選択をしなくなるなど、失敗する確率を大幅に下げられます。不動産投資の失敗は、知識不足による誤った選択が引き金になるケースが多いです。例えば、安いという理由だけで買ってしまったり、周辺相場よりも高い価格の物件を選んだりなどです。
不動産投資は金額が大きいので、一度の失敗で取り返しがつかなくなる可能性があります。最低限の基礎知識を身に付けることは、失敗しないためにとても重要です。
基礎知識を習得するならJ.P.RETURNSのスマホで見られる無料書籍や無料動画がおすすめです。通勤や家事の合間などのスキマ時間のインプットにぜひ活用してみてください。
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信頼できる不動産会社を選ぶ
信頼できる不動産会社を選べれば、それだけでも不動産投資の成功率は大きく上昇するでしょう。
不動産投資を自分一人で行う場合、投資方針を決め、物件探しや、金融機関探しも自分一人で行わなければいけません。特に物件探しは、不動産投資の要になる非常に重要な作業です。
信頼できる不動産会社を見つけられれば、物件探しで失敗しないためのアドバイスを受けられるので、綿密な投資計画が立てられるでしょう。
ただし、先述のとおり、全て任せきりにするのではなく、不明点があれば理解できるまで質問するのが、失敗しないために重要です。
信頼できる不動産会社を見極めるには、会社ホームページを見たり、口コミを見たりする方法もあります。しかし、会社との相性もあるので、無料面談で担当者として話をしてみるのがおすすめです。
無理に話を進めて、物件を売ろうとしたりせずに、親身に話を聞いてくれる担当者であるかを見定めてみてください。信頼でき会社に巡り合えると、購入後も丁寧にサポートしてくれるので、安心して長期的に運用できるでしょう。
まとめ:失敗事例から学んで不動産投資を成功させよう
不動産投資を成功させるには、成功・失敗事例を多く知り、自分の運用に活かすのが大切です。
成功事例から、成功するためのリスク回避や物件選びの方法を学べれば、不動産投資の成功率が飛躍的に上がるでしょう。また、失敗事例から失敗要因を学ぶのも有意義です。始める際は、自分の投資目的を定め、その目的を叶える不動産投資を選択しましょう。
自分の目的が明確でなかったり、目的を達成する方法が分からなかったりする場合は、プロに相談してみるのがおすすめです。
本記事では、事例に加えて、成功率を上げるための具体的なポイントも解説しているので併せて参考にしてください。自分一人で、投資方針の策定から物件選び、運用まで計画するのが難しいと感じる人は、ぜひ不動産投資会社の無料相談を利用して、プロの担当者に相談してみてください。J.P.RETURNSでは、無料でプロのコンサルタントが、あなたの状況に合わせて相談可能です。忙しい人でも話ができるよう、平日の夜にオンラインでも対応可能です。ぜひご都合に合わせて、ご活用ください。
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オーナー様20名に聞いた「不動産投資を始めた決め手」は?
マンションオーナー様20名の投資目的やエピソードをご紹介。
不動産投資を始めた方には、必ず「決め手」と「目的」があります。オーナー様がどのような考えをもって不動産投資を始めたかを知ることはご自身の参考になるのではないでしょうか。
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