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不動産投資は、マンション・アパートや戸建て住宅などの投資用物件を取得・運用し、入居者からの家賃収入や売却益を得るという投資方法です。いわゆる不労所得にあたるため、「副業」というイメージをもつ方も多くいるでしょう。
しかし、不動産投資は多くのケースでは副業禁止に該当しないと考えられています。管理委託すればほとんど手間はかからないために本業への支障はなく、株式投資等と同様に資産運用の一環とみられています。
本記事では、「副業禁止の会社でも不動産投資ができる理由や、銀行員・公務員に不動産投資がおすすめの理由についても詳しく解説します。また、不動産投資を始める場合の注意点も説明するため、ぜひ最後までご覧ください。
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目次
結論から述べると、副業禁止の規定を定めている会社に勤務する方であっても、基本的に不動産投資は問題なく行えます。
そもそも、いくつかの会社が副業規定を定める主な理由には下記の2点が挙げられます。
・本業に専念させるため(従業員の過労を防ぐため) ・競合他社への情報漏洩を防ぐため |
不動産投資は「投資」とつくように、労働の対価として利益を獲得するのではなく、株式投資と同様に資産を運用することによって利益を獲得できる仕組みです。
一般的な副業のように、勤務時間外に毎日働く必要もなければ、本業に支障が出たり情報漏洩のリスクが高まったりすることもほとんどありません。そのため、通常では禁止されているような「副業」によって懸念される問題が表面化することは考えにくいです。
ここからは、不動産投資が副業に該当せず、多くの会社で認められている理由について詳しく説明します。
不動産投資は、株式投資のような資産運用の一環と広く認識されています。資産運用とは、自身が保有する資産を運用し、効率的に増やしていくことを指します。不動産投資のほか、株式投資やFX・仮想通貨なども代表的な資産運用です。
基本的に、株式投資やFXを禁止している企業はほとんどありません。そのため、同じく資産運用に分類される不動産投資が禁止されることも少ないと考えて良いでしょう。
しかし、不動産投資の規模が「事業」と言えるほどに達している場合は、副業だと判断される可能性があります。副業禁止の会社で副業だと判断されると就業規則違反となり、最悪のケースでは懲戒処分・減給処分の対象となってしまいます。本業をしながら不動産投資を始めるときは、事前に就業規則をきちんと確認しておきましょう。
副業禁止の規定がある会社でも不動産投資を行えるもう1つの理由としては、「本業に支障が出にくいため」が挙げられます。
前述の通り、会社が従業員の副業を禁止する理由は、従業員の過労を防ぎ本業に専念してもらうためです。しかし、不労所得を得られる不動産投資は過労による本業への影響が極めて少なく、禁止する必要がありません。
会社が従業員の副業を禁止することには、「競合他社への情報漏洩を防ぐため」というれっきとした理由があります。しかし、単純に不動産を運用する中で、競合他社の人材に本業の会社の情報を流出させる場面はまったくと言って良いほどないでしょう。
従業員の不動産投資による情報漏洩リスクは、企業のトップに立つ上層部の方であってもさほど心配していません。そのため、会社勤めの方であっても特に問題なく不動産投資を始められます。
不動産投資は、誰もが主体的に始めるものではありません。中には、亡くなった親族からの相続によって、やむなく毎月家賃収入を得られる不動産を承継したという方もいるでしょう。
会社が不動産投資までも禁止してしまうと、従業員は親族から不動産という資産を受け継げなくなってしまいます。会社の規定によって従業員が不動産を受け継げなかった場合、会社側は「財産権の侵害」となる可能性があります。
こうした事態の防止する目的もあり、不動産投資はほとんどの会社で禁じられていません。
不動産投資は資産運用にあたるほか、会社が副業を禁止する理由にもあてはまりません。そのため、基本的にほぼすべての会社員が問題なく不動産投資を始められます。しかし、金融関係の仕事に就く銀行員・公務員の場合はやや注意が必要です。
銀行員をはじめとした金融関係者は、職務上インサイダー情報に触れる機会が多くなっています。そのため、株式投資やFXに制限が課されており、勤務先のルールによっては不動産投資含む投資全般ができない可能性もあります。
また、公務員は会社員とは違って法律で副業が禁止されています。前述の通り、不動産投資は厳密には資産運用にあたるものの、人事院規則で規定された要件から外れると副業とみなされてしまいます。したがって、公務員の方が不動産投資を始めるときは、制限に抵触しないよう注意しなければなりません。
(出典:人事院「人事院規則14―8(営利企業の役員等との兼業)の運用について」/https://www.jinji.go.jp/kisoku/tsuuchi/14_fukumu/1403000_S31shokushoku599.html)
ここからは、公務員が不動産投資を始められる2つの条件について、詳しく説明します。
公務員が不動産投資を始められる条件の1つに、「不動産投資の規模」があります。具体的には、下記の条件を超えてしまうと「自営」と見なされてしまいます。
(1)不動産の賃貸が次のいずれかに該当する場合
イ 独立家屋の賃貸については、独立家屋の数が5棟以上であること。 ロ 独立家屋以外の建物の賃貸については、貸与することができる独立的に区画された一の部分の数が10室以上であること。 ハ 土地の賃貸については、賃貸契約の件数が10件以上であること。 ニ 賃貸に係る不動産が劇場、映画館、ゴルフ練習場等の娯楽集会、遊技等のための設備を設けたものであること。 ホ 賃貸に係る建物が旅館、ホテル等特定の業務の用に供するものであること。 |
(引用:人事院「人事院規則14―8(営利企業の役員等との兼業)の運用について」/https://www.jinji.go.jp/kisoku/tsuuchi/14_fukumu/1403000_S31shokushoku599.html 引用日2023/10/13)
公務員が不動産投資を問題なく行うためには、独立家屋、いわゆる戸建て住宅・一軒家を5棟未満、賃貸マンションは10室未満にとどめておかなければなりません。
不動産投資には、投資規模を判断する基準として「5棟10室基準」が定められており、5棟10室以上の不動産投資は「事業的規模」とみなされます。
つまり、公務員が不動産投資を行える条件は「5棟10室未満」に限られるということを覚えておきましょう。
公務員が不動産投資を始められるもう1つの条件は、「賃料収入の年間額」です。
(3)不動産又は駐車場の賃貸に係る賃貸料収入の額(これらを併せて行つている場合には、これらの賃貸に係る賃貸料収入の額の合計額)が年額500万円以上である場合 |
(引用:人事院「人事院規則14―8(営利企業の役員等との兼業)の運用について」/https://www.jinji.go.jp/kisoku/tsuuchi/14_fukumu/1403000_S31shokushoku599.html 引用日2023/10/13)
人事院の規則によって、不動産にかかわる年間の賃料収入が「500万円以上」の場合は、公務員が禁止されている副業とみなされます。
なお、不動産にかかわる賃料には入居者からの家賃のほか、月極駐車場の賃料も含まれることに注意が必要です。公務員が不動産投資を行う際は、年間500万円というラインを超えないようにしましょう。
以下の記事は、不動産投資の中でも「公務員×アパート経営」に焦点を当てた内容となっています。ぜひ併せてチェックしてみてください。
>アパート経営は公務員でもできる!その条件や注意点を解説
これまで不動産投資は副業にあたると考えていた方の中には、「副業禁止の会社員・公務員でも不動産投資ができることは分かったものの、なんとなく勇気が出ない」という方もいるでしょう。
しかし、副業が禁止されている企業・業種で働く方にこそ、不動産投資はおすすめです。ここからは、なぜ副業禁止の会社員・公務員に不動産投資がおすすめなのか、その理由を詳しく説明します。
公務員と不動産投資の相性については、以下の記事でも徹底解説しました。併せて読んでおくと、会社員や公務員が不動産投資をやるべき理由についてより深く理解できるでしょう。
>公務員に不動産投資が向いている理由は?副業禁止規定との関係も解説
前述の通り、不動産投資は運用中、ほとんど労働を伴わずに収入を得られるれっきとした資産運用です。最初は収益物件の選定や購入・取得、さらに入居者募集といった作業が必要となるものの、その後のオーナー業務には時間・手間がほとんどかからず、本業に支障をきたすおそれがありません。
また、本業の傍ら不動産投資を始める会社員・公務員のほとんどは、物件管理を不動産管理会社へ委託していることも特徴です。管理会社に委託することで、オーナー業務を軽減させつつ効率良く運用できるほか、入居者トラブルや設備故障といった急を要する事態に自身で対応する必要がなくなります。
会社員・公務員は収入と雇用が安定していることから、アルバイト・パートや個人事業主と比べて金融機関からの信用度が高く、融資を受けやすいことが特徴です。
また、収益物件の購入時は不動産投資ローンを借りることとなります。信用度の高い会社員・公務員なら、物件の収益性にもよるものの、住宅ローンの借り入れよりも高い金額を借りられる可能性もあるでしょう。
そもそも不動産投資は、「取得する資産を担保とした融資」による資金調達ができる唯一の投資法です。例として、株式投資では投資する株式を担保に金融機関から融資を受けることはできません。手元に十分な資産がなくてもは少額から始められるのが、不動産投資がおすすめとされる1つの要因と言えるでしょう。
不動産を購入するための不動産投資ローンを借りるときは、住宅ローンでお馴染みの団信に加入できます。団信とは、「団体信用生命保険」の略称であり、ローン契約者に万一のことがあった場合に、ローンが完済されるという生命保険の一種です。
団信に加入しておけば、ローン契約者が万が一亡くなった際はローンの支払いが免除され、遺族は資産として残債のない不動産を取得・運用できます。受け継いだ不動産を運用して、半永久的に不動産収入を得られるため、遺された家族の生活を守れるでしょう。不動産を売却してまとまったお金を手に入れることも可能です。
ローン完済後は諸経費のみの支出になるため、家賃の大半が収入となります。半永久的かつ安定的な不動産収入は、ローン完済後の年金代わりになることも大きな魅力です。
年金を補う手段として不動産投資は効果的ではあるものの、少なからずリスクがあることも確か。以下の記事で注意点をよく理解しておくことをおすすめします。
>不動産投資が年金対策にいい理由。注意点とリスクを解説
不動産のような現物資産は、インフレに強いことが特徴となります。インフレとは、「インフレーション」の略称であり、物価が上昇し続ける状態のことです。
インフレによって物価が上昇すると、相対的に現金の価値が下がります。しかし、不動産は現物そのものに価値があるために、価値が下がりにくく、需要が高い人気物件であれば、価格が上がる可能性もあるので、インフレに強いといわれています。また現金の価値低下により、不動産投資ローンの実質的な負担感も軽くなったと感じられるでしょう。
しかし、不動産投資ローンを変動金利で借りている場合、インフレが続いていると、金利上昇に伴い、返済額が増える可能性があります。
不動産は、株式などその他の投資対象と比較して資産価値が安定しています。もちろん、築年数を増すごとに資産価値は基本的に下がりますが、定期的なリフォーム・リノベーションによって資産価値を最大限維持できる点も不動産ならではの魅力と言えるでしょう。
また、収益物件周辺の開発が進んだ場合は、むしろ物件取得時より資産価値が高まる可能性もあります。不動産はエリアによっては資産価値が非常に安定していることから、長期的な資産運用を望む方には非常におすすめと言えるでしょう。
「不動産投資で失敗することはないの?」と気になっている方は、以下の記事も併せて読んでみてください。
>不動産投資の失敗率はどれくらいある?失敗と成功を分ける考え方を解説
副業が禁止されている企業で働く会社員や、そもそも副業のできない公務員にとって、不動産投資は安定的な副収入を得られる魅力的な投資方法です。しかし、不動産投資の良い面だけを見て始めると失敗してしまうおそれもあります。
そこで最後に、会社員・公務員が不動産投資を始める際に気を付けておくべき点を7つ紹介します。
会社員・公務員が不動産投資を始める際は、必ず会社の就業規則を確認しておきましょう。
基本的に就業規則には、副業の可否や条件についての内容が詳しく記載されています。たとえ副業を禁止としている会社であっても、不動産投資は副業にあたらないとしたり、一定の範囲内であれば可能としたりするケースも少なくありません。
また、就業規則に副業に関する定めが詳しく記載されていない場合は、「そもそも会社が従業員の副業について想定していないことにより、規則を確立できていない」という可能性もあります。就業規則だけでは判断に悩む方は、事前に会社に相談しておくことをおすすめします。
不動産投資が副業ではなく資産運用の一種として認められている理由は、本業に支障をきたさないものであるためです。
実際に不動産投資は不労所得を得られる投資方法として知られていますが、運用中に何もしなくていいわけではありません。自分1人で収益物件の管理業務を行う場合は、定期的なトラブル対応や入居者対応、さらに入居者募集といった業務も発生し、本業に支障がでる可能性が高まるため、管理は委託しておくのがおすすめです。
管理している収益物件数が多いと、比例して業務量は増加します。サラリーマン兼不動産投資家として、不動産投資を効率的に運用して資産拡大するためにも、管理会社への委託しておくのが無難です。
公務員の場合は、「5棟10室以上の事業的規模」を達した場合は副業とみなされるためNGとなることを説明しました。しかし、こうした投資規模の条件は公務員に限ったものではありません。
副業禁止の企業に勤務する会社員が事業的規模の不動産投資を行っていた場合、勤務先から副業とみなされる可能性があります。そのため、公務員ではなくとも副業を禁止する企業で働く以上は、事業とみなされない規模に留めておいたほうが安心です。
不動産投資は大きな不労所得を獲得できるというイメージがありますが、実際には毎月のローン返済や空室による損失、さらに建物・設備の修繕・修理などで支出が収入を上回るケースも珍しくありません。
そのため、収益物件ごとに毎月の収支をきちんと把握しておくことが大切です。収支管理や収支バランスの確認をしなければ黒字か赤字かも把握できず、キャッシュフローが悪化し続けてしまう可能性もあります。
また、確定申告も忘れてはなりません。基本的に、本業以外の所得(副収入)が年間20万円を超える場合は、確定申告を行って税金を納める必要があります。会社員・公務員の方は確定申告をする機会が少ないことから、直前でやり方に戸惑ってしまう可能性もあるため、あらかじめ確定申告の知識を身につけておくことも大切です。不動産所得が赤字の場合も、節税するためには確定申告が必要になります。
なお、不動産投資は節税に効果的としてもよく知られています。収める税金を少しでも減らしたいと考えている方は、以下の記事もおすすめです。
>不動産投資で節税する裏ワザ|経費に認められるものも紹介
住民税の支払い方法には、給与から天引きされる「特別徴収」と、自身で納付する「普通徴収」の2つがあります。会社員・公務員をはじめとした給与所得者の場合は、特別徴収として給与から天引きする形で住民税を支払うことが一般的です。
しかし、不動産投資を行う会社員・公務員が特別徴収のままにしていると、給与所得以外に不動産運用による事業所得も合算された税金額が天引きされます。通知書には住民税の天引き額の算出根拠が記載されるため、勤務先の会社に不動産投資による収入額を知られてしまいます。
このような事態を防ぐためには、確定申告書の「住民税に関する事項」にて「自分で納付」を選択し、普通徴収に切り替えておきましょう。
本業で日々忙しい会社員・公務員が不動産投資を成功させるためには、税金や資産運用など不動産投資に関係する知識が欠かせません。
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不動産投資は基本的には副業ではありませんが、事業的規模で運用しているのがバレると、副業と見なされる可能性があります。
就業規則で「副業禁止」となっているなら、副業と判断されたら規則違反で処分を受ける可能性もあります。しかし、法律では会社の時間外であれば、禁止することを認めていません。勤務時間外は労働者が自由に使って良い時間なので、本業での機密情報を漏らすなどの違反を起こさない限りは副業していても基本的には問題ありません。
ただし、公務員は法律(国家公務員法/地方公務員法)によって副業が禁止されているので注意しましょう。
不動産投資は副業ではなく資産運用にあたるため、副業禁止規定のある会社でも問題なく始められることがほとんどです。
しかし、不動産投資の規模によっては副業とみなされるほか、特に銀行員などの金融関係者や公務員の場合は規模によって不動産投資自体を禁止される可能性もあります。そのため、不動産投資を始める前に就業規則をしっかり確認しておくことが大切です。
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室田雄飛のモグモグ不動産投資ブログ
大学在学中に家庭教師のアルバイトをきっかけにデイトレーダーへ転身。24歳で資産運用法人を設立する。25歳から大手投資用マンションディベロッパーと業務提携後、およそ6年間にわたり資産運用アドバイザーとして活躍。その後、大手不動産仕入れ会社で販売統括責任者として従来の投資用物件の流通システムを革新するプロジェクトを立ち上げる。国内最大規模の投資イベント「資産運用EXPO」で登壇実績があり、同業他社からも多くの見学者が立ち見の列を作った。2020年にJ.P.RETURNSに参画。オンラインでの商談やWEBセミナーを導入し、コロナ禍でも年間300件以上の顧客相談を担当している。
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