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「将来のことも考えてそろそろ不動産投資を始めたいが、どのような準備をすればいいのかよくわからない」という人もいるのではないでしょうか。本記事では、不動産投資に必要な初期費用や元手、基礎的な用語、始め方と流れ、初心者が押さえておきたいポイントなどを解説します。
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目次
早速、不動産投資を始めるにはどのような手順を踏むのかから確認していきましょう。不動産投資にはどのような準備が必要なのか、またどのような流れで行うのかを把握しておくと、実際に不動産投資を始めた時にスムーズです。おもな不動産投資のステップは、以下の7つです。
1.不動産や投資の基礎知識を学ぶ
2.投資に使える金額や目標を明確にする
3.不動産会社に相談し物件の紹介や内見を進める
4.金融機関のローン審査を受ける
5.物件の購入申し込みを行う
6.管理会社の選定・委託契約を行う
7.決済・引き渡しを行う
8.運用を開始する
それぞれ詳しく解説していきます。
不動産投資を始める前に、不動産や投資の基礎知識を学ぶ必要があります。不動産投資では、日常生活ではあまり使わない専門用語が登場するため、意味を理解しておきましょう。物件の選び方や不動産ローンの審査の概要・基準、家賃収入とローン返済額などの収支計算などにおいても基本的な知識は必要です。
ただし、宅地建物取引士や賃貸不動産経営管理士などの専門家レベルの知識はいりません。分からないことがあった場合には、不動産会社や管理会社に質問し確認できます。
また、ネットで不動産ポータルサイトを活用して、物件の相場をつかむことも必要でしょう。不動産投資の基本が書かれた本を読む、セミナーを受講するなど、効率的に知識をインプットすることをおすすめします。
次に、不動産投資に使える金額や目的を明確にするのが大事です。不動産投資ローンの活用を計算に入れながら、頭金や初期費用などに回せる自己資金も確認します。物件選びにも影響がでるため、毎月いくらの家賃収入を目指すのか、何年後にいくらの利益を上げるのかなど、できるだけ具体的な目標を設定しておきましょう。
金額だけでなく、人生設計における不動産投資の位置づけの明確化も大切です。「年金の足しにしたい」「家族に収入を残したい」「早期にリタイアして経済的に自立したい」など、さまざまな目標が考えられます。目標に応じて、取得すべき物件の種類や投資金額も変わってくるでしょう。
金額と目標が明確になったら、次は不動産投資の肝となる物件選びです。不動産会社に相談して物件を紹介してもらい、必要に応じて内見を進めましょう。物件探しに入る段階で、ある程度の条件を絞っておくことが必要です。
新築か中古か、一棟か区分か、エリアはどこかなど、条件を絞ることによって、物件を効率的に探せます。物件の情報だけでなく、周辺の情報収集も重要です。ネットだけの情報だけではなく、自分自身で足を運んで判断するのが失敗しないためには大切です。
物件の内見(オーナーチェンジ物件以外)と周囲の環境の確認は、必ずするようにしてください。物件は中古の場合は、メンテナンス状況と修繕状況の確認も不可欠です。
購入する物件が決まったら、不動産投資ローンの審査を受けます。購入価格のすべてを自己資金でまかなう場合は、不要です。不動産投資は基本的に毎月の家賃収入があるため、毎月のローン返済額との収支のバランスを考えて、返済計画を立てるといいでしょう。
不動産ローンの審査は、本人の年収・勤続年月・勤務先などの属性によって、融資される条件が変わります。自分がどれくらいの金額までローンを組めるか、早めに確認しておきましょう。
自己資金を多く持っているとローン審査の際に有利になることがあるため、早めに計画を立てて資金を貯めることをおすすめします。
不動産投資ローンを借りる金融機関選びで迷っている人は、以下の記事でおすすめの銀行を紹介しています。
不動産投資ローンのおすすめはどの銀行?金利などの特徴を比較
物件の購入から引き渡しまでは、さまざまな手続きを行います。仲介を通じて購入する場合には、買付証明書に署名・押印して不動産会社を経由でして売主に提出し、売主と売買契約を結びます。
その際には、宅地建物取引士から売買する不動産についての重要事項説明を受けなければなりません。説明内容に問題がなければ、不動産売買契約書を締結して売主に手付金を支払います。さらに、金融機関と金銭消費貸借契約を結び、物件の引き渡しと決済を行うのが主な流れです。
物件購入後、管理会社を選定し、委託契約を行います。このステップは、自分で管理するなら不要です。副業として不動産投資をする場合、多くの不動産オーナーは管理会社に委託します。
管理会社に委託すると、委託手数料がかかります。しかし、賃料の回収・クレーム対応・敷地内の清掃・備品の修繕など、管理の手間がかからない点がメリットです。加えて、家賃の5%が相場なので、収支にそこまで大きな影響のもメリットといえます。自分の仕事の状況や収支のバランスを考えたうえで、委託するかどうかを決めるといいでしょう。
決済・引き渡しが不動産取得の最終段階です。決済前に売り主、買い主、不動産会社などの関係者が現地に集い、引き渡し可能な状態かを確認します。
決済は、一般的に融資を受ける金融機関で関係者(売り主、買い主、不動産会社の担当者、司法書士)が集まり、手続きを行います。登記手続きを終わり、融資の確認ができたら、物件の鍵や物件関連の書類を渡され、引き渡しの手続きは完了です。
運用を開始してからが、不動産投資のスタートです。物件の修繕や入居者の募集が終わり次第、不動産投資の運用が始まります。すでに物件に入居者がいる場合は、入居者募集や修繕の作業はありません。
入居者がいない場合は、入居者募集の広告を出すなど、稼働率向上の工夫が必要です。入居者が集まらない場合には、リノベーションなども検討してみましょう。自分で判断するのが難しければ、管理会社にアドバイスをもらうのも有効です。ただし、費用がかかるため、収益性とのバランスを考慮した判断が求められます。
不動産投資の始め方7ステップについて、以下の記事ではさらに踏み込んで解説しました。併せて読んでみてください。
>不動産投資のやり方を解説!7つのステップや注意点を紹介
ここでは、不動産投資ローンを利用した場合に必要になる自己資金、金融機関から求められる頭金、評価方法などについて解説します。
なお、初期に発生する費用には「仲介手数料」や「登録免許税」など、様々な項目があります。以下の記事も参考に、不動産投資に必要な資金の内訳についても理解しておきましょう。
>不動産投資に必要な資金は?初期費用の内訳や自己資金を抑えるコツも
金融機関で不動産投資ローンを利用する場合、不動産投資の一般的な自己資金の目安は、物件価格の約15~30%です。例えば、物件の価格が2,000万円であれば、元手の目安は300万~600万円になります。
上記以外の費用としても、自己資金を残しておくことが必要です。なぜなら運用中に突発的に費用が必要になった際に対応できなくなってしまうからです。不動産投資のトラブルに対処できるお金や生活するための資金を手元に残しておくことをおすすめします。
金融機関から不動産投資ローンを借りる場合には、契約者の審査があります。審査における判断材料は、本人の年収・勤続年数・勤務先の情報などに加えて、購入する物件の収益性や担保価値などです。
金融機関から求められる頭金の額も、審査結果によって変わってきます。初期に必要な金額は、審査が終了しなければわかりません。
本人の属性や物件の条件によっては、頭金なしのフルローンを組める場合もあります。基準を満たせば、10万円程度の自己資金でスタートできるケースもあります。「少ない元手でスタートしたい」と考えている場合は、金融機関からどう評価されるか、おおよその基準を把握しておくことも必要でしょう。
自己資金が少なく済むフルローンですが、少なからずデメリットもあります。フルローンで不動産投資を始めようと考えている人は、以下の記事もチェックしてみてください。
>不動産投資をフルローンで始めるのは危険?基礎知識や融資を受けるポイントを紹介
不動産投資を始める前に、基本的な知識を身につけておきましょう。さまざまな専門用語が登場するため、まずそれらの用語の意味を正しく理解できることが大切です。
基本的な用語として、以下の4つがあります。
● 利回り
● インカムゲイン
● キャピタルゲイン
● レバレッジ効果
それぞれの用語の意味をくわしく解説します。
不動産投資における「利回り」とは、物件購入価格に対する、1年間の家賃収入です。利回りが収益を上げられるかどうかの重要な指標になります。
例えば、2,400万円で物件を購入して、1か月10万円の家賃で貸し出すとしましょう。空室がない場合には、1年間の収入は120万円です。この場合の利回りの数式は以下のようになります。
120万円(1年間の家賃収入)÷2,400万円(物件の購入価格)=5%(利回り)
不動産投資の利回りの目安は3~5%であるため、平均的な利回りの不動産投資と言えるでしょう。ただし、利回りにもいくつかの種類があるため、注意が必要です。特に重要なのは、「表面利回り」と「実質利回り」です。
投資した金額に対して、どれだけの利益を得られるのかを表す指標が「表面利回り」です。「表面利回り」は、「グロス利回り」と呼ばれることもあります。「表面利回り」は、以下の式で求められます。
(表面利回り)=(1年間の家賃収入)÷(物件の購入価格)×100
これは、最初に説明した利回りで表した式と一緒です。収入と物件価格だけで算出されるため、シンプルでわかりやすいと言えるでしょう。一般的に不動産のチラシなどに掲載されている「利回り」も、この「表面利回り」であることがほとんどです。
表面利回りは、おおよその収益性を判断できる指標ですが、経費などが考慮されていないため注意が必要です。経費が多くかかる場合には、収益率が大きく下がるケースもあります。
「実質利回り」は、「ネット利回り」とも呼ばれています。経費を考慮した利回りが「実質利回り」です。「実質利回り」は、以下の式で求められます。
(実質利回り)=(1年間の家賃収入-年間経費)÷(物件価格+購入時諸経費)×100
発生する経費も含めて計算しているため、「表面利回り」よりも実際の利回りに近い数字になります。
各利回りについてより詳しく知っておきたい方には、以下の記事もおすすめです。
>不動産の利回りは1種類じゃない!物件選びで重要な利回りの基礎知識や注意点も解説
物件を貸す際に発生する家賃収入を「インカムゲイン」と呼びます。このインカムゲインには、家賃のほかに礼金・更新料・家賃とは別に徴収している駐車場代・管理費なども含まれます。一般的に不動産投資では、インカムゲインを目的として運用している人が多いです。
インカムゲインは毎月入ってくる収入であるものの、毎月支払うローンの返済額との収支のバランスを考えておく必要があります。インカムゲインは空室が出てしまうと、減少してしまいます。安定したインカムゲインを得るためには、「いかに空室を出さないか」が重要なポイントになるでしょう。
不動産投資における「キャピタルゲイン」とは、不動産の売却益のことです。また、物件の購入価格よりも売却した価格のほうが小さい場合には、「キャピタルロス」といいます。
不動産投資では、家賃収入を主な目的とするのが一般的です。しかし、物件を安い価格で購入し、高い価格で売却することも、不動産投資で利益を得る1つの方法です。
ただし、初心者にとって売買のタイミングをつかむのは難しいでしょう。キャピタルゲインを目的とするならば、専門的な知識と日頃の情報収集で最新トレンドを常に掴むことが不可欠です。
不動産投資での「レバレッジ効果」とは、金融機関からの不動産投資ローンを利用し、少ない自己資金で高額な物件を購入し、利益を多く上げる仕組みを指します。レバレッジとは、少ない力で大きな成果を出す「てこの原理」を意味する言葉です。
不動産投資ローンを活用することで、自己資金を少なく抑えながら、多くの家賃収入を得る効果があることから、「レバレッジ効果」という表現が使われるようになりました。
レバレッジ効果に関する詳しい解説は、以下の記事でまとめています。
>不動産投資のレバレッジ効果を解説!利回りの目安やリスクもチェック
不動産投資初心者であっても、基礎知識を身につけて需要の高い物件を購入して運用できれば、比較的安定した収入を得られます。不動産投資で成功するために、初心者が注意したいポイントは、以下の4つです。
● 家族の同意を得てから始める
● 信頼できる不動産会社を選び活用する
● 始めのうちは少額から投資を行う
● 長期的に収益を上げられるかを意識して物件を選ぶ
それぞれ詳しく解説します。
不動産投資を成功させるためには、家族の同意を得てから始めることが大切です。なぜなら不動産の購入には、多額の資金が必要になるため、家族の協力が必要な場面もあるからです。家族の反対にあった場合には、取引を中止せざるを得ないケースも考えられるでしょう。
生涯設計プランにも影響を及ぼす不動産投資には、当然家族にも関わってきます。運用計画や購入したあとの不動産をどのようにするかというプランの内容も含めて、家族に説明して理解を得ることが後々に揉めないためにも大切です。
不動産投資では、信頼できる不動産会社を選び、活用することが重要なポイントになります。「不動産投資の知識が豊富」「顧客の対応が丁寧」「メリットだけでなくリスクも説明してくれる」などを基準に、不動産会社を選ぶといいでしょう。
ネット上の口コミの評価がどうかも、信頼できるかどうかの判断材料になります。
物件を紹介するだけでなく、適切なアドバイスをしてくれる不動産会社を選ぶことで、不動産投資に失敗するリスクを抑えることが可能です。購入後の管理まで対応しているかも、手間をかけずに不動産投資を始めるために大切です。複数の不動産会社を比較したうえで、選ぶことをおすすめします。
不動産投資において信頼できる会社を選ぶためのポイントは以下の記事で詳しく解説しています。
不動産売却は会社選びが大切!信頼できる会社を選ぶ7つのポイント
不動産投資に成功するためには、少額からスタートすることもポイントです。少額の投資であれば、当然リスクも抑えられます。少額投資で成功体験を積み上げながら、生きた知識や情報、確かな判断力を身につけられるでしょう。
少額の元手で始められることから、不動産初心者にもおすすめできるのが区分マンションです。購入価格が比較的安いことから、サラリーマンの副業としても活用されています。少額投資には、複数の購入者が資金を出しあって購入する不動産小口商品もあります。ただし、レバレッジ効果を活かして、大きな資産を築きたいなら少額でも現物の不動産を運用するのがいいでしょう。
用意できる自己資金の金額別に、おすすめの不動産投資物件をまとめました。「自分にはどんな不動産が合っているんだろう」と悩んでいる人は、こちらも併せてチェックしてみてください。
>不動産投資はいくらから始められる?自己資金別に購入できる不動産などを解説
また、自分自身の状況にあったアドバイスが欲しいと考えているなら、J.P.RETURNSの無料相談もおすすめです。オンラインでもオフラインでも対応できるので、話を聞いてみるだけでも気軽にご活用ください。
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物件を選ぶ際には、長期的に安定した収益を上げられるかどうかを意識することも必要です。短期的な収支だけでは、不動産投資の成否ははかれません。長期的に見て、入居率が高い物件を選ぶことが重要です。中古物件の場合は、修繕やリノベーションの費用も考慮する必要があるでしょう。築年数が経っても、需要が高い物件を選ぶことが、大きな資産を築くためには重要です。
物件の周辺地域における再開発の予定、生活利便性などの情報を収集し、中長期的な視野に立って判断することが求められます。
不動産投資の始め方や基本的な用語などに加え、メリット・デメリットも把握しておきましょう。もし迷っている人は、これらのメリット・デメリットを踏まえて、自分に合っているかを判断しても良いかもしれません。
数あるメリットの中でも特に強調したいのは、ほったらかしにしながらも大きな資産を築けることです。不動産投資では入居者を探したり、入居中のトラブルやクレーム対応をしたり忙しいと想像している人もいるかもしれません。しかし、多くの人は管理会社に物件の管理を一任するために不動産オーナーはほとんど手間がかからないのが実態です。
またローンを完済すれば、大きな資産を築けるのも魅力的です。金融機関からの融資で購入し、運用期間中に手出しがほとんど発生しないなら、自己資金をほとんど使わずに数千万円もの資産を構築できます。
一方、デメリットは短期的なリターンは望めないことです。不動産投資は、家賃収入を原資に毎月返済を行い、長い期間をかけて物件を取得するスキームのため、短期ではリターンを望めません。そのため、短期間で大きな利益を出したい人には向かない投資手法といえます。
不動産投資のメリットについては、以下の記事でさらに詳しく解説しています。
不動産投資とは?メリットやリスク・向いている人の特徴まで徹底解説
不動産投資は、不動産投資ローンを活用することで少ない元手でもスタートできます。長期的に安定した収入を得られるため、投資初心者にはおすすめの投資です。不動産投資の基礎知識を学び、信頼できる不動産会社と管理会社を選ぶことにより、初心者でもリスクを抑えられます。
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執行役員 コンサルティング3部 本部長
J.P.RETURNS執行役員。
J.P.RETURNSに入社後、設立初期より営業部を統括、本部長を務める。以降融資担当部長、流通事業部では仕入れ先開拓業務に従事、後に管理業務部等を歴任。数百戸の投資用区分マンションを販売、自身でも6件の不動産を所有、運用している。現在は自社セミナーを始め、様々な会社との協賛セミナーの講師を務めながら、常に世に発信する立場で不動産業に従事している。
【書籍】
日本で最も利回りの低い不動産を持て!
マンション投資2.0
【ブログ】
室田雄飛のモグモグ不動産投資ブログ
大学在学中に家庭教師のアルバイトをきっかけにデイトレーダーへ転身。24歳で資産運用法人を設立する。25歳から大手投資用マンションディベロッパーと業務提携後、およそ6年間にわたり資産運用アドバイザーとして活躍。その後、大手不動産仕入れ会社で販売統括責任者として従来の投資用物件の流通システムを革新するプロジェクトを立ち上げる。国内最大規模の投資イベント「資産運用EXPO」で登壇実績があり、同業他社からも多くの見学者が立ち見の列を作った。2020年にJ.P.RETURNSに参画。オンラインでの商談やWEBセミナーを導入し、コロナ禍でも年間300件以上の顧客相談を担当している。
【保有資格】
宅地建物取引士、ファイナンシャル・プランナー(AFP)